黒祠の島 (新潮文庫)
小野 不由美 新潮社 新潮社
閉鎖的社会を書かせたら天下一品
「屍鬼」を先に読んでしまったせいか、確かに皆さんおっしゃるように、ミステリーとしてはどうかなと思う。どちらかと言えばホラーだろうが、この人の作品の怖さは、人間を知り尽くしているところにある。タイトルにも書いたように、閉鎖的な田舎を書かせたら右に出る者はいない。
ミステリーとしてはいま一つで、すぐに展開がわかってしまうから、書いても別に支障はないと勝手に判断して書かせてもらうが、このように生まれついての殺人者というのは、いるのだろうか。「羊たちの沈黙」のときも同じことを考えたが、あれは余計な蛇足がついて、レクター博士にはそうなるだけの過去があることが明らかになって、興ざめした。
一番怖いセリフ「未来永劫だれも殺してはならないのなら、愉しみいうものがありません」。皆さん、どう思われるだろう。
ひぐらしのなく頃に
島に古くから伝わる鬼、馬頭夜叉への信仰と、実際の連続殺人事件が複雑に絡み合い、謎が謎を呼ぶミステリーです。
今人気の「ひぐらしのなく頃に」に大変似ている印象を受けました。
ただ、私は物語半ばにてトリックがわかってしまったためか、淡々と進む物語が迫力不足で、動きも少ない上に舞台説明に時間がかかり、設定を生かし切れていない感がありました。
本格推理小説と言うよりは、ライトノベルズに近い感じを受けたのは、最後の種明かしのインパクトが強烈だったためかもしれません。
風車が・・・
軒下につるされた風鈴。
無数の風車。血だらけの廃屋。
静まり返った街、隠さなければならない神社・・・
前半は非常に気味が悪い、「ホラー」
後半は頭脳戦「ミステリー」
気味の悪さは秀逸。
土着の神の不気味さを味わいたいなら
是非読んでほしい作品です。
ストーリーですが、私は「カラクリ」がすぐにわかってしまったので
ちょっと残念ということで★4つにしました。
孤島に起きた惨劇を島ぐるみで、もみ消そうとするその謎とは?
若い二人が、夜叉島(黒祠の島)を訪れて行方がわからなくなった。往来船の社員は確かに島に渡るのを見たという。ところが島の住人は口を揃えて、「知らない」と答える。
さて、ふたりはどこへ消えたのか。そもそも何故こんな孤島を訪れたのか。そして起きてしまった惨殺な事件…。
謎が徐々に明かされにつれ、島の実態も暴かれていく。この辺の筆力は、さすが小野不由美先生である。
ただ、ほとんど事件の解明が聞き込みだけであること、あんなにかたくなに口を閉ざして島の住人があっさり口をわったことなどは、少し安易だった気がしないでもない。登場人物が似たようなキャラクターが多く、このあたりのディテールを書き込んでもらえたらもっといい作品になったのではないか。
設定やストーリーがいいだけに、実にもったいない。といわけで星4つの評価をつけた。
島の信仰が馬頭観音(実は海○だが)で、そのため黒祠の島と呼ばれるゆえんになった件は興味深く読ませてもらった(僕が仏像好きだからかもしれないけど)。
真夏に涼しくなりました。
あぁ、おどろおどろしい。
無数の風鈴が鳴り響く、奇妙な因習に包まれた孤島…
そこで起こる残虐極まりない、不可解な殺人…
これまで江戸川乱歩や横溝正史のグロテスクなミステリをいくつも読んできたが、
この作品ほど恐怖を感じたことはない。特にラストの、あの女があの男に匕首(あいくち)
を突きつけるシーンなどは…
あとは皆さんが本書を手にとってその凄さを確かめてください。
映画化されないかなぁ… そしたらその「女」は栗山千明だろうな。やっぱり。
屍鬼〈1〉 (新潮文庫)
小野 不由美 新潮社 新潮社
手に汗を握る作品!!
ホラーとゆうジャンルを読む機会に恵まれない私でしたが、屍鬼を読んでその事に後悔とゆうよりももっと早くに読んでいればよかったと思いました。今のところは1・2巻しか読んでいませんが良い作品だと確信しました。出だしの村の状態を表わす時の言葉からして興味をそそられ、それから死ぬときの表現が素っ気ないからこそ怖く、余計に原因を追求したくなるんだと納得しました。本当に小野さんのミステリーは良いと自分では思っている。
あれ…
ハードカバーの方も読んだことがありますが台詞に違いがありますね。
違いと言っても「意味は同じだけど言葉が違う程度」ですが。
この作品は回想という形でない方が良かったと個人的には思います。
読みすすめていくなかで何通りかの顛末が想像できますが序章の時点でその1つが消えてしまうので。
推理小説読み途中に犯人バラされたような感覚が…。
大変面白かったのですが…
大変面白く、飽きずに読み通すことができました。文庫で全5巻という尺も、登場人物の多さも、村全体を巻き込んでいくというストーリーをリアルにするため、必要なものでしょう。
ただ、それだけの大作にも関わらずどこか一抹のB級臭さが拭えないのは、あまりにもおセンチにロマンティックに描かれ過ぎた静信と沙子、ご都合的になんでもできてしまう辰巳の3人のキャラクターのせいでしょうか。特に静信と沙子の2人は少女マンガを読んでるようで、なんだか気恥ずかしくなってしまう程です。10代の多感な世代な子が読むにはいいのかも知れませんが…。と思っていたら、この作品漫画化されてるんですね。さもありなん、という感じです。
そもそもは「とにかく怖いの読みたい」ということで、この作品を勧められたのですが、残念ながら怖いとは思わなかったというか、私の求めるホラーではありませんでした。冒険活劇のような、そんな感じ。ただし面白かった、ということは再度付記しておきます。
よかったです
多分に漏れず自分もかなり中だるみしました。
ただ最終巻まで読み終えてみると、あの長いくだりもやはり必要だったのかなと思えます。
この物語の主人公は静信や敏夫を含めた“村人”です。
核となる二人の対比は両極端で、いずれの行動を取ることも、その考えを支持することも
一般の私たちにはなかなか難しいことです。「白い巨塔」の極端な両先生が思い出されま
す。
しかし、私たちの大多数は二人のような英雄ではなくただの村人です。律子や徹といった
ごく有り触れた正義感と常識を持つ人間が読者の標準なのではないでしょうか。目まぐる
しく変わる登場人物の視点、その平凡な村人に自分を置き換え、その目を通して静信や敏
夫の行動を批評してみるといいかもしれません。長く冗長気味にも思える序盤の描写です
が、静信や敏夫をことさらに際立たせず、他の村人が端役に没しないようなバランスを考
慮すると致し方ないかと思います。
ホラーだったりファンタジーだったり、序盤はとにかく主題が見えづらいですが、終盤そ
れが分かると面白さも加速し、手を止めて考えるような時間も増えていると思います。
「頑張って」読んでます
とにかく長い。
長すぎる上にこの第一巻はさしたる事件も
起こらないので、正直読んでいて退屈さを感じます。
まだこんなにある、と残りの厚いページを見てガックリ。
ホラーが好きで、長編小説も好きなほうですが、
これはちょっと…と言う感じです。
後で面白くなるそうなので(続刊のレビューを拝見)、
多少の我慢をして何とか読み終わりました。
続く2巻、3巻とどんどん面白くなるようなので、
そちらに期待したいです。
東亰異聞 (新潮文庫)
小野 不由美 新潮社 新潮社
ラストが圧巻、小野不由美らしさが光る
この方も、ファンタジーノベル大賞が見出した逸材。あまりメジャーではないようだが、あなどれない賞である。
さて、物語はもう書くまでもないようだが、帝都「東亰」を舞台にした謎解きの物語。怪しい魅力的な人形使いとその人形、懐かしの十二階、怪人、公爵家の美少年、お家騒動と、少々盛り込み過ぎの感もあるが、そのため雰囲気は十分。読んだ当時はあまりに容赦のない書きように、当の公爵家から文句が出ないのかと変な心配をしたりした。
圧巻は、やっぱりラスト。東亰をヴェネチアにしちゃったよー。
さすがは小野不由美先生!
東京のパラレルワールド、「東亰(とうけい)」の明治時代を舞台に繰り広げられる。
開化という時代の節目に、夜の者が騒ぎ始める。惨殺される民衆。果たして物の怪か人間の仕業か…。
最初は、怪談ものを読む感覚だが、途中から推理ものになり、最後は「あっ!」とうならされる結末が!
文体も明治時代色豊かで、夜の街に瓦斯(ガス)燈が灯る、その中を怪しげな夜の者が跋扈するシチュエーションが目に浮かぶ。
圧倒的な筆力にぐいぐい引き込まれる。
さすがのひと言に尽きる作品!
昼より夜がスキ!な人に
こういうのを「SFファンタジー小説」っていうんでしょうか。架空の都市「東亰」で起こる、連続殺人事件。で、その容疑者が・・・妖怪??ヒトダマは飛び交うわ、人形は喋るわと、ある程度ヤリタイ放題な設定であるにもかかわらず、その犯人探し、そしてトリックの解明っぷりが、とにかくリアルなんです。物凄く、現実的なんです。ファンタジーものは正直苦手な僕ですけど、コレはおおいに!大いに楽しめましたねー。
選ばれし者
それとなりたいものがそれに選ばれる訳ではないのです。
選ばれたのは彼でした。
のち「魔性の子」での広瀬と高里でもそう。
初期らしい物語めいた道具仕立ても魅力の作品。
異次元の世界へと誘うエンターテインメント
明治維新がもし天皇の法力によるものだったらという仮定で書かれたケレン味溢れるエンターテインメント。舞台は首都・東京ではなく、帝都・東亰である。そこで、公爵家を巡る連続事件が起き、これが作品の一応のメインになり、ミステリ的な解釈もできるのだが、実は本筋ではない。幕間に入る操り人形の描写は歌舞伎のケレンを思わせ、作品の耽美的ムードを高めている。
話の本筋は、天皇の病気により法力が落ちてきた事により、東亰に魑魅魍魎が跋扈し、それと天皇の忠臣が戦う妖力合戦である。先の公爵家もこの戦いに関係するのである。奇想天外な構想の割には話が纏まっており、読みやすい。また帝都・東亰の幻想的な雰囲気も良く描写されており、読んでいて異次元の世界に心地良く浸れる佳作。
悪夢の棲む家 (上) ゴースト・ハント 講談社X文庫―ホワイトハート
小野 不由美 講談社 講談社
二段オチで非常に贅沢
ホラーと新本格推理が好きなら非常にお勧め。二段オチになっていて、どちらが目的でも非常に楽しめる作品になっている。ホラーの定番を外し、かつ、有り得るラインのモノ(たとえば妖怪)を持ってくるので怖さも倍増。リアルの作り方が、繊細な心理状態や言葉使いから成る少女小説とは別ラインからのアプローチで非常に巧みであり知的である。
ただし、この作品には先行シリーズである悪霊シリーズの、シリーズ全編に関わる重大なネタバレがあるのでそちらの最終巻まで読んでない向きが手を出すには注意が必要です。
しかし大人の推理小説ファンにもお勧めできる屈指の名作と呼ぶに相応しい作品だというのに重版がかけられてないとは勿体無いこと甚だしいですね。
おもしろいです。
ゴーストハントシリーズは、漫画文庫の4巻まで読んだだけなのですが、
それぞれのキャラの個性は把握していたので楽しく読めました。
しかし、漫画文庫4巻まででは語られていない部分も多く含まれており
(麻衣の夢や、ナルの個人情報?等)初期のシリーズを読んでからのほうがおすすめだと思いました。
悪霊が棲む家、ということで調査に乗り出したSPR。
怪奇現象の謎がどんどん解明される中、それと同様にして深まっていく謎。
そして霊の存在が・・・。
(上)巻一気に読んで(下)巻にGOです(笑
十二国記もいいけれど、ナルのシリーズもいいんです!
小野不由美さんの作品の中で私が1番好きな作品です。
確かにティーンズハートの悪霊シリーズを先に読んだほうが、何倍もいいのですが、悲しいかな、現時点では手に入れるのが難しい。
いなだ詩穂さんのコミック版を読んでから(いつ完結するのか知りませんが・・・)、本書を読むのがいいかもしれません。
内容は、ホラーです。そこらの「怖い話」より何十倍も怖い! 背中から冷えてくる感じがします。でも、途中でやめられない。。。
小野さんの作品は、人間のあらゆる面を描いていて、納得しながら怖くもあり、それ故に暖かくなれる、本当に不思議で素晴らしいものだと思います。
すごくオススメですケド……
やっぱり、ティーンズハートの悪霊シリーズを先に読んだ方がいいと思います(漫画はまだ完結してないので)。
話の内容的には、ホラー色が強く、『悪霊になりたくない!』あたりの雰囲気に似てます。
サスペンスホラーって言うんでしょうか。
思わず息を呑むシーンもたくさんあります。
二階の一人部屋で深夜に読まない方がいいかも。
悪霊シリーズの連中が帰って来た!
文章がなんと三人称になっていて、おかげで、麻衣の一人称では語りきれなかった状況や、麻衣を含めた人物達の様子が、よりくわしく描写されているのが、美味しいところです。折しも、ナルとリンの黒服コンビが、ジーンの葬儀を終えて再び日本に帰って来るという、その直前。「家を調べて欲しい」とSPRにやって来た依頼人は、風変わりな付き添いを二人連れていました。一人は霊能力をペテンだと決めつけて譲らない者、もう一人はやみくもに信じている者。さて、躾の悪い所長に噛み付かれたのは、どちらでしょう・・・。なんちゃって。描写が細かい分、恐さもやはり倍増しです。
魔性の子 (新潮文庫―ファンタジーノベル・シリーズ)
小野 不由美 新潮社 新潮社
大好き!!
この物語はファンタジーとホラーが詰まっている。怖いんだけど先が気になり時間が無くなってしまう。とにかく読んでいる時は、人が何人死ぬのか気になり全部読んでしまうのがオチだ!
小野不由美らしい厳しさが光る
「十二国記」の前に読んだので、かえってわけのわからなさが最後まで読者を引っ張っていくところは、筆力抜群の著者だからこそできることだと思う。私も広瀬と同じ、現在の社会に居心地の悪さを感じている人間であり、彼に感情移入して読み進み、最後に「広瀬の戻りたいは逃避でしかないが」というたった一言でばっさり切り捨てられても、不思議に嫌な感じはしない。爽快感さえ覚える。この痛快なまでの甘えを許さない厳しさが、小野不由美の小野不由美たるところだろう。
蛇足。表紙は変えた方がいいと私も思う。
表紙がなぁ
エンタテイメントとして
楽しみながら読み進めることが出来た。
ただ、この表紙が結構作品の
登場人物のイメージを限定してしまい
なんだかホラー的な要素が
かわいらしいイメージになってしまったのが残念。
携帯電話が普及する前の出来事で
なんかとってもアナログ感が溢れている感じがイイ。
学生も今の子とはちょっと違って昔っぽい。
エンタテイメント性が高い。
この表紙がなければ世界観も楽しめたかも。
話の展開が気になり、最後まで読まずにはいられない!
会社の若い社員からすすめられた本でした。スティーブンキングを知らない社員だったので、「おいおい、大丈夫かよ」と思い、だまされるのを覚悟で読みました。
この本に出会うまで小野不由美を知らなかったのですが、読み出したら止まらず一気に最後まで読んでしまいました。作者の表現力の力量に感銘しつつ、スプラッターな描写のせいだけではない、「高里」の静かな恐怖に思わず背筋がゾクゾクしました。
最後まで読み終え、小野不由美を知らないこっちの方が「おいおい、大丈夫かよ」という感想を持ちました。反省しています。
読み出すと止まりません。「高里」のことが徐々に生徒たちから語られ、ちょっと変な子→恐怖の源とわかるストーリーにぐいぐい引き込まれます。
一方で、思春期に感じる「実は私の親は別にいるに違いない」「もしや別世界の人間では」という普遍的なテーマもあり、奥が深い作品です。
正直、ほかの作品もこの機会にぜひ読みたいと思いました。
まだ読んだことない方、小野不由美をまったく知らないという方にもおすすめの一冊です。
「蒿里」と「高里」、違った面白さ
自分の居るべき場所はここではない気がする。
戻りたい―――どこに?
ここではないあの場所だよ、戻らなきゃ―――どうやって?
進学などで自分の居場所が替わるたびにこう思います。
麒、ほどではないけど人間だって、この世界はいづらかったりもします。(陽子しかり、広瀬しかり、私も時々は。)
ただ、胎果でない普通の人間は、ここにいるしかないのでしょうか。
最後のページを閉じるとともに、一抹の不安と淋しさを感じました。
そういう意味では、納得して清々しい気分で読み終えられた十二国記より、少し大人向きで考えさせられる一冊ですね。
私は十二国記を華胥の幽夢まで読んでから、魔性の子を読みました。
しかし、どちらから読むのか、という問題ではなく、人々の光だった小さな蒿里の愛しさと、闇を振りまく高校生 高里少年の遣り切れない想いは両方読むことで深く心に残るのではないでしょうか。
そしてそのあと、(これは十二国記のエピソードですが)大きくなった「蒿里」と李斎の慶国でのやりとりを読み直すことをぜひお薦めしたいと思います。
悪夢の棲む家 (下) ゴースト・ハント 講談社X文庫―ホワイトハート
小野 不由美 講談社 講談社
怖いよね。
描写がリアルと言うか、読んでいて頭の中にその風景が浮かんでくる感じがあります。
なので、夜に読むと結構くるものが…。
ところで。
どこを探しても出てこないのですが、この本の中で置きている事件、昭和58年にあった『朝倉幸治郎事件』にかなり類似してません?
こちらの事件は、長女は林間学校に行っていて無事なんですけどね。
しかもかなり凄惨な事件のようですが…。
数Pで先が読めた…
十二国で作者を知りましたが、最初読んだ時は同じ人が書いた文章だとは思えなかった。
別に十二国と同じような話を期待していたわけではないのですが、何か手ぬいてるな~って感じ。
ホラーシーンが書きたかっただけなのかストーリーが無いから最後は「やっぱり」
「悪霊~」のキャラブック?という所でしょうか。
次に期待します
おすすめです
悪霊シリーズからのファンなのですが読んでみたところ一人称から三人称へ変化していることにまず驚き。でも登場人物たちの健在ぶりにはほっと一安心といったところでしょうか。描写の細かさにはさすがだと思います。脱帽です。
ライトノベル…?
「少女向けライトノベルだが、内容は本格ホラーだ」という本書のレビューを以前目にしたことがあり、興味を持って手にとってみた。
読んでみた感想は、というと……恐怖感の描写が秀逸、ひらたくいえば「怖い」。生きていないものが自分の近くに居る、という感覚を、ここまで読者に伝えられるのはさすがだ。
おかげで、深夜に洗面台に立っていると、背後が気になるようになってしまった(苦笑)。
ホラーが好き、という人におすすめ。なお、これはゴーストハントというシリーズものの一作なのだが、単品でも楽しめる。
緑の我が家―Home、Green Home (講談社X文庫―ホワイトハート)
小野 不由美 講談社 講談社
面白かったけれど。
主人公がいかんせん好きになれないです。
性格が悪い、というよりキツくて感情移入できませんでした。
まあ元イジメッ子なのだし、根が捻くれてても仕方ないのかもしれませんが。
とりあえず、主人公が最後まで好きになれなかったので
星3つ。
大人が読んでも楽しめる。
ティーンズ向けの本だけれど、話の造りがしっかりとしているから、
大人が読んでも十分楽しめると思う。
次にどんな怖い出来事が起こるのだろう、と思いながら読んでゆくと、
本当に怖い事が次から次へと主人公の身に降りかかる。
それも、血がバーっと出てとかいう即物的な事ではなくて、
じりじりと、じわじわと、心理的な怖さを感じるような出来事が起こる。
最後は泣かせるような話の仕立てになっているので、後味は悪くはない。
人間というものの怖さと優しさがわかるかもしれない
怖いです。
これでもかというほど、私は怖かった。途中で放り出せないくらいに。
特に、夜中に子どもがひとりで公園にいる図、というのは、鳥肌が立つ。
主人公に危害を加えようとする側と、主人公を守る側。人間の両面を見せられた気がします。X文庫だから、と舐めるなかれ。小野さんの作品は、表面だけでは語れない深さを持っています。
表紙からは想像のつかない内容です。
私には軽すぎた
軽く読めてしまう小野不由美氏のホラー。
講談社X文庫ですもん、そりゃあ軽いでしょう。
コミック版を先に読んでしまったせいか、面白さが減ってしまったような気がします。
この作品が出発点として「屍鬼」などに発展していったんだなあと思いながら読んでいました。
読後感は爽やか…
表紙イラストがあまりにも爽やかなので、軽いコメディタッチのホラー
かと思っていたら、しっかりしたホラーで正直驚きました。
そんなに厚い本ではないので、物足りなさはぬぐえませんが、主人公
たちの心の揺れが丁寧に描かれています。もちろん、恐怖感もしっかり
あります。
ホラーなのに、読後感は爽やかで、とても切ない作品でした。
屍鬼〈5〉 (新潮文庫)
小野 不由美 新潮社 新潮社
小野先生の作品は野性的!!
人間とは綺麗事で飾っていても、隠せない醜さがある。だから正直、ハッピーエンドで終わるのものよりも醜い結末で終わって納得できたし、好きになれた。登場人物も、上辺だけの友達関係、はっきりと言う人、現実を見ようとしない人、良い子になりすぎて本心を言えない人、嘘をつけない人、どれも人間らしくて読み易かった。人間とは何かが起こっていても気付かないふりをして、平和だけを見つめようとする人の方が大概だとゆう事も興味深かったし。本当に怖いものは、幽霊なんかでは無く生身の人間かもしれない。
表せない
最後まで読みきっての充実感は読んだ量よりもある。
室井の小説もこの小説の中で幕を閉じる。一冊の小説を読みながら、もう一冊の小説を平行して読んでいく新感覚。
正直、室井の書く小説の方が気になってしまう事態であった。
二つの小説が絡み合う、不思議さと全てのピースがことごとく綺麗にはまっていく。
人間の性、欲、信じるもの、矛盾、動機、生き方。見たくなかったところを、ここまで示されると、落ち込みを超えて納得し感動します。
一番印象に残ったのは、彼らが発した興味深い言葉達。
敏夫、室井、砂子、辰巳40人以上の登場人物達。
悪をしたくないのであれば、全て周りを塞いでしまえば良い。けれど聞かないでいる事が悪だという。人は善でいる事も、悪でいる事もできない。
誰も一般で言う、善ではないのだけれども善でないとは言い切れない。
人間とは善から遠い生き物なのだと感じました。
けれど善と決めるのは他でもない自分自身で、善とは善なのだが善であることはないことがある。
色々な思想が交じり合う。何度も何度も読むことによって深まっていく興味深い本だった。
まだ続きが見たい
あれ?これで終わり?というのが正直な感想
もう2巻位続くんじゃないかという展開のまま、あっさりと終わってしまった
一巻を半年放置したまま久々に見てみたら一気にこの5巻まで
買ってしまったせいかもしれないけど。それにしても終盤の火事の映写や
登場人物のエピローグも今までの展開に比べると明らかに少なかった
でもそれも大した不満にならないほどの面白さだった。
しいて言うなら最後のオチがありきたり過ぎだったということ位か
ホラー小説とは思いません
屍鬼を読んだ理由の一つに、ホラー小説が読みたいというのがありました。そんな時、書店で屍鬼の存在に目を止めました。この小説は、怖いという噂。
今全5冊読み終わって思うのは、これはホラー小説ではないと思いました(僕にとっては)。だから、少しがっかりしました。小野不由美さんの小説だから買おうと思って買えばよかった(小説的にはなかなか面白かったから)。
なぜホラー小説とは思わなかったかといいますと、怖いと思った事がほとんど無かったからです。僕は主に深夜帯にこの本を読みましたが、一人暮らしなのを後悔することは、ありませんでした。理由は、現実味が薄いからだと思います。もしからしたら、隣人が屍鬼なのでは・・・。そのようなことを思うことは一度もなく(どうして屍鬼になりえるのか。そこが納得できなかったから)。、唯一ゾクッときたのは、4巻の俊夫さんが村役場出張所に行った場面でしょうか。
しかし、小説的にはグングン読ませてくれます。5巻まで全部買っておいてよかった。本当に午前3時に、本屋さんに行きかねない状況でした。(開いてませんが。ん。もし開いていて、僕は午前3時書店に屍鬼を買い求めに行くと、そこには多数の屍鬼が跋扈していた・・・。)
タイトルほど怖くない
全5冊にのぼる長大な作品であるが、コワモテな題名のわりには存外ライト
な読後感だ。一口で言えば吸血鬼物で、ホラー、スプラッター系の描写も多
いが予想ほどどぎつくはなく、後味も悪いというほどではない。読者を物
語りに引っ張り込み、一気に読ませてしまう力はなかなかのものだ。的確な
イメージを結ばせる描写力、西洋渡来の吸血鬼テーマと日本ローカルの民俗
性との結合、女性登場人物の造形の巧みさなど長所として挙げられる。半面
主役陣が屍鬼の実在を認識するプロセスなどはやや唐突だし、現代の話なの
にいくら僻村といっても異常事態をマスコミが全く嗅ぎつけないとか、同じ
ようなエピソードが同じような表現で延々と繰り返される冗長さ、男性登場
人物の性格がややステレオタイプ、といった短所もある。しかし一番物足り
ないことは、吸血鬼の造形にオリジナリティが打ち出されていない点だろう。
もっと日本化された吸血鬼像を読みたかったね。傲慢な事をいえば、一冊あ
たりが同じ位の頁数で上中下三冊くらいにまとめればもっと引き締まったか
もね。
華胥の幽夢(ゆめ)―十二国記 (講談社X文庫―ホワイトハート)
小野 不由美 講談社 講談社
厳しさをあわせ持つ理想的な世界
蔵書の整理を余儀なくされ、迷った挙句、本書と「図南の翼」だけを残した。
十二国記の世界は、一種の理想郷だ。まず他国に攻め込むと、理由がいかに正しかろうと、王とその補佐たる麒麟は命を落とす。これなら対外戦争は起こらない。王は世襲ではなく、麒麟に「王たる適性がある」と選ばれた者が王座につくが、王としての道を誤る傾向を見せると、麒麟みずからが病んで警告を発する。まさに理想の世界だ。
子どもは、天に持つ資格があると認められた夫婦にだけ授かり、それも木に実る。だから親に「うんでもらった」ではなく「もいでもらった」なのだ。当然、虐待はない。ただ、王が道を誤って不在となると国じゅうに妖魔がはびこり、親を亡くす子どもは出てくるので、決して生きていくのに楽な世界ではない。このあたりの容赦のなさが大好きだ。
シリーズ唯一の短編集である本書は、そんな世界観を余すところなく描き出した傑作選。どの話も面白くて、どこか哀しい。
泰麒の悩み
十二国記の番外編・・・といったところでしょうか?
その中にある泰麒が初めてひとりでお出かけ(笑)をするお話に、泰麒はずっと抱えていた悩みにひとつの答えを見つけます。その泰麒の悩みは今自分が抱えている悩みにも似ていました。
自分は今ここにいる場所で役に立っているのだろうか?自分は非力で考えも及ばず皆に迷惑をかけていないか・・。立場は月とすっぽんのごとく違いますが、想像するだけで泰麒の悩みに胸がちくちくします。
「批判するだけなら簡単だ。大事なのはその先、批判したあとどうあるべきかを示さねば意味がない。」私の解釈ではこれが精一杯なのですが、これは響きました。
文句ばかり、批判ばかりするのは、本当に簡単だし、言っていて気持ちよくなったりします。
人はうつろっていく生き物で時には自信過剰になるし時に不安で居た堪れなくなる。人の傲慢さ、謙虚さ、大胆さ、儚さ、国というものとは・・・・など深く考えさせられる作品です。
ですが、本当に新刊がいつ出るのか待ちどうしい・・・。ある意味その気持ちを通り越して遠い目で待っている・・・・という感じでしょうかね・・・。でもあと4,5年とかだったら待ち死にしちゃいますYO!!!
十二国記シリーズの短編集
十二国記シリーズの短編集。戴麒は、泰王驍宗の命で漣国を訪れたが...「冬栄」、圧政を強いた峯王仲韃(ほうおうちゅうたつ)を討った月渓は、当然、芳国を率いると思われたのだが...「乗月」、景王陽子と楽俊が便りを通してお互いの近況を語る「書簡」、宝物『華胥華朶(かしょかだ)』が絡む才国の一王朝の衰退を描いた「華胥」、各国を訪れ、何やら調べている様子の男の正体は...「帰山」の五話。
十二国記シリーズファンはもちろん、これだけを読んでも楽しめる1冊。でも、全部読んでるほうが面白いですが...今までほとんど出てこなかった国や人々が登場し、十二国のほとんどが(全部じゃないですが)出てきます。お話が膨らんで行くのはよいことですが、先に進んで欲しいなぁ。
国を治めることの難しさ
短編集ですが、読んでみて「国を治めることの難しさ」
を改めて感じました。
ただただ民を思っても、ただただ正義を追いかけても
国は治めることができない。
いろいろ批判はできても、いざ自分が当事者になった
とき、民の支持をうけ、官僚からも支持をうけ、
天帝からも支持をうけ、家族からも支持をうけ、
王という役目を貫けるか?
現在の日本(世界)もそうですが、永遠の問題ですね。
切なくなる短編集。
この本に出てくる楽俊の話とか月渓の話はアニメにでも少し触れた形になっていたのでこの話かと納得しました。
戴で「粛清」が行われている間の漣での泰麒の話や、才が傾き終わりを告げる話、陽子・楽俊の書簡のやり取り、、、などなんとなく読んで切なくなりました。たとえ短編集といっても前作シリーズを読み、あんなに幸せそうな泰麒に悲劇が起こること、お互い辛いけどわかりあえているからこそあえてそれを言わないこと、など今まで読んだことが頭に再度甦るという本作と互換しているのでそれが一層感動させてくれました。
物語も、もちろん面白いですが人物のいう台詞や考え方が自分でも自分の在り方を考えさせられてしまう程素晴らしいと思います。とくに「華胥の夢」はファンタジーというより現実を見ているような感じがして読めば自分の態度を改めようという気にさせてくれます。
華胥の幽夢(ゆめ)―十二国記 (講談社文庫)
小野 不由美 講談社 講談社
小さな停留所
四つの短編集です。
才の話以外はリアルタイムなんだけど、場所とスポットを当てられた人物が違っているため本編とはまったく違う雰囲気の作品になっています。
本編が新幹線の駅に例えると短編はローカル線の駅みたいなかんじ。
これまで作り上げてきた世界が形になっているから短編が生きてくるんだと思う。
一番心に残ったのは「華胥」でした。
たとえ抱いている理想が正しいものであったとしても、実現できるとは限らない。
本人の能力という厳しい現実が存在すると共に言い訳の効かない世界が描かれていた。
人の弱さと脆さを垣間見た気がしました。
しかし止まってしまった本編はいつ動き出すのでしょうね。
言葉のチカラ
この本は十二国記シリーズの短編集であり番外編です。なので、十二国記シリーズをまだ読んでない人には、残念ながらあまりおすすめできません。
しかし、この本には随所に人生の教訓とも言えることが書かれています。なので、一読の価値はあります。
なかでも、華胥に登場する砥尚の言葉には、おもわずはっとしてしまいます。
「責難は成事にあらず」⇒人を責め、非難することは、何かを成すことではない。責難することは容易いけれども、それは何かを正すことではない。
この言葉には、誰しもが深く考えさせられるでしょう。
ちなみに、華胥に登場している慎思は“風の万里 黎明の空”にも登場してきます。そこでも、深い言葉を数多く残しています。
“華胥の幽夢”や風の万里 黎明の空”に限らず、他の十二国記シリーズの本にも、素晴らしい言葉がちりばめられています。
なので、まだ読んでない人は、他の作品から読んでみてください。ハマりますよ。
いいとこ突いてます
4つの短編からなる作品です。気になるあの登場人物のストーリー、今まで出てこなかった国などがでてきておもしろいです。これは他の作品を読んでからでないと面白みにかけてしまうので、他の先に作品を読む事をお薦めします。逆に、他の作品を読んでからこの作品を読むと、おもしろさが倍増ですね。
十二国記の世界からあふれ出たもの
他の巻の後書きにも小野さん自身書かれてますが、大きくなりすぎた十二国の世界。増えすぎた登場人物…
そんな十二国記の世界を小出しにしたものがこの短編集だと思います。
本編の方は大詰めにさしかかり2年ほど続きが出ていないようですが、ファンとしては気になる国、気になるキャラクター、それぞれいると思います。
特に、「書簡」を読んで、あの後楽俊はどうしているのかなー、と、気になっているのでありました。
ほんの一行書かれている言葉に、「これ、もしかして複線?」と、勘ぐってみたり。
この本を手始めに、小野さんには短編集ででもあふれ出した世界を私たちに届けて頂きたいと思います。
本編を途中で止めてても
これは短編集として、とても楽しめる本でした。
十二国記を、実は7冊目位で読みやめていて、本編はもうついていけないかなと思いつつ手に取ったのですが、
幼い頃の泰麒の話、陽子と楽俊との交流など初期しか知らない方でも気楽に読むことが出来ますし、表題である
「華胥の幽夢(ゆめ)」は十二国記の世界を踏まえつつとはいえ、一遍の推理小説のようになっていてすんなり
と話に入っていくことが出来ました。
また各所に十二国記らしい、「ただの空想世界の話ではない、重みを持った現実」みたいなものがあって、考え
させられる事や言葉が読み終えた後にも残りました。
アニメのみの方でも割と読めるかもしれません。
1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 » [12]
合計件数:119 合計ページ数:12