旧約聖書を知っていますか (新潮文庫)
阿刀田 高 新潮社 新潮社
これより色川武大の「私の旧約聖書」がわかり易く胸を打つ
阿刀田のコレは旧約を読んでないが
「知ってる」と思いたい人向け。
「知ってる」と人に言いたい人向け。
色川のは旧約を読んで無い人も読んだ人も、わかり易く
その偉大さにドスンと来てしまう物だと思いました。
色川は無頼といわれてますが、決して乱暴な酒飲みなどではなかったのですが、
壮絶な生き様のなかで、なぜ彼が旧約聖書に没頭したのか知りたくて読みました。
色川の「私の旧約聖書」を強く勧めます。
阿刀田版を批判はしませんが、旨くも不味くも無い定食を食べただけの様でした。
西洋文化を理解する一歩に適している
美術館に足を運び、西洋絵画に相対したとき、私は描かれた人物が嬉しいのか悲しいのか分からない。目を閉じて横たわる老人が、どのような生涯を送った人なのかが想像できない。主題となっている宗教的教養がないから。神話を題材としたものも多いですね。教養不足を痛感する瞬間です。
「絵は観て感じるものだ」という御仁もおられようが、私は納得できない。なぜ描かれたこの人は悲しそうなのか、なぜ天使がこの人を祝福しているのか、主題の背景を理解せずに絵を観賞することができるものなのだろうか。
というわけで、まずは宗教の理解を第一歩としました。旧約聖書→新約聖書→イスラム教→ギリシャ神話、という行程を計画。入門ガイドとして、阿刀田高氏の「〜を知っていますか」シリーズを手に取りました。ちなみに、私の宗教知識としてはAERAのムック「キリスト教がわかる」レベルです。
本著『旧約聖書を知っていますか』では、イエス生誕までの宗教エッセンスを抽出しています。神と人間とのつながりの始めからを、飽きさせず紹介していますので、初心者にうってつけです。ただし、氏の軽すぎる文体に馴染めませんでした。そこまで茶化す必要があるのかどうか、疑問視するところです。「新約聖書」、「イスラム教」に至るに連れて、この軽々しさはなりを潜めていきます。私としては読みやすくなりました。
イスラエルの建国が1948年。世界史で学んだイスラエル建国の意味する宗教的な重みを、より深く感じることができました。より多くの興味を惹起する書籍です。この本をきっかけとして、新約聖書やイスラム教にまで関心を広めるきっかけになれば、と思います。
宗教的でなく
筆者は信者ではないところに意味があると思う。
いかに物語としての聖書を読み解くか、解説するかと言う事に重きを置き
作家らしい補足を加えている。
「宗教的読み物である聖書も、物語としても面白いのだよ」
という作者のメッセージだと思う。
アイヤーヨッ!
無宗教の立場で簡単にわかりやすく旧約聖書を「切って」くれています。
本来はどういう意味だったのか?
原点の立場に帰ってユダヤ教やキリスト教を客観視することができる良い本です。
どんな人にも自信を持って薦められる本です。
おもしろいっ!!
実際の旧約聖書なんぞ読んだことすらないけれども、こんな内容だったのかとまさに目からウロコ状態でした。
一番重要なことは、様々な宗教観に束縛されていないこと。だから所謂『意訳』的なものでありながらも、きちんと中立的な観点で描かれている。だからこそ無信論者である僕も安心して読める内容になっているわけです。
是非、阿刀田先生には和洋新旧問わず、様々な古典を現代流な解釈をしていただきたいです。
新約聖書を知っていますか (新潮文庫)
阿刀田 高 新潮社 新潮社
著者は「私は信仰を持たない。あえて言えば、このエッセイはそのあたりにも多少の価値があるかもしれない」と言明して『旧約聖書を知っていますか』を上梓(じょうし)した。本書はその姉妹編。「欧米の文化に触れるとき、聖書の知識は欠かせない」とわかってはいても聖書を通読するのは骨である。新約聖書を知識として読む場合のつまずきのひとつは「福音書に記されている奇蹟」だろう。これは「のべ数にして60件ほど。重複しているものもあるから、実数としては30件あまり」あると分析。というのもミステリー作家である著者はイエスの教えの中核を抽出するため福音書の全文をコピーし「教義を示しているもの」「たとえ話を主とするもの」「奇蹟を起こしているもの」「事実の経過を記しているもの」に内容を分類し「あまり本質的ではないと思えるもの」を取り除く作業をしている。そんな手法があったと知るだけで新約聖書はグンと身近になる。そしてイエスのたとえ話についても「深い意味を持つものもあれば、その場のやりとりに近いもの…つまり、敵対者から攻撃を受け、それをかわすためにヒョイと放ったような言葉もないではない」と、聖書挫折者が連ねそうな不審点にまず相槌(あいづち)を打ってくれる。そして阿刀田流にシャッフルした新約聖書の流れに沿って読者を源泉へ誘う。自在に半畳を入れた『旧約聖書を知っていますか』に比べてエンターテイメント性は低いが本書は読者を原書に対峙させる力を持っている。(松浦恭子)
新約聖書の面白さ
「旧約聖書を知っていますか」の対となる新約聖書版です。
旧約聖書に比べて、主人公は「神の子イエス」とわかりやすい分、物語としても
非常に面白いと思います。
宗教家では決して書かない、いわゆる奇跡についても
筆者独自の楽しい解釈があり興味深いです。
押し付けの宗教書でなく(下手に読んで勧誘されたり洗脳されたりしたら嫌でしょ?)
「聖書って何が書いてあるの?」という視点で読むのに最適です。
本書を手にとって考えて欲しい
まずは、同シリーズの「旧約聖書を知っていますか」をできればお読みになって下さい。
それから本書を手にとって下さい。
無宗教の立場で客観的に面白くわかりやすく書かれていて、非常に読みやすいです。
「イエス・キリストが本当は何を言いたかったのか…」
「今のキリスト教は、本当にイエス・キリストの趣旨に沿っているのだろうか」
「過去から今につながる現代社会や宗教は一体どうなっているのだろうか」
本書を手にとって読破した後、それぞれ皆さんが思うことがあると思います。
それぞれ意見が違うと思います。
是非、考える時間を持ってみてください。
そして、自分なりの答えや考え方を見つけてください。
イエス誕生の仮説に脱帽
おなじみ阿刀田高のシリーズです。
他のレビューアの皆様が書かれている通り、
非常に分かりやすく新約聖書の話を教えてくれます。
教会の壁面に描かれた絵画は聖書の話
を教えるために描かれたものですので、
聖書の内容を知っているのと、知っていないのとでは
その鑑賞内容が大きく変わってきます。
絵に興味のある方、ヨーロッパへ旅行に行かれる方は
是非とも御一読を。とにかく面白いです。
そして何よりもお勧めなのは、この本の中でも
極一部の1〜2ページ分のところなのですが、
著者がイエス・キリスト誕生の裏話の仮説を書いています。
これは傑作です。私も本気でそうだと信じてしまうぐらいです。
新約聖書のダイジェスト版
旧約聖書と違って新約聖書は絵に興味がある人などは、新約聖書の場面の絵を通じて知識を持っていると思われる。
本書は、新約聖書のダイジェスト版であり、前提知識なしに聖書の内容を知ることができる。
もちろん、本書も阿刀田氏ならではのユーモアと読みやすい文章で読者が飽きないように書かれている。
手軽に知識を広げたい方にお勧めの一冊です。
ヨーロッパへの旅行の前にはぜひ一読を
ヨーロッパの美術館や教会を訪れると、必ず眼にする宗教画。それらを鑑賞する度、キリスト教についてもっとよく知っていればと思ってはいたものの、キリスト教を扱った本とか美術関係の解説書は、難しすぎたり、読む気にさせないものが多いなぁと思ってました。なのに、この本を読んで眼から鱗。新約聖書の大まかな流れが解った気になれるし、宗教画に描かれた内容は、この部分の事だったのか!と気づく事が多かったです。すんごく読みやすく、解りやすい。宗教画を観る眼が変わります。
プルタークの物語 上 (1)
阿刀田 高 潮出版社 潮出版社
教養の高みは遙か遠く
阿刀田高氏の、この手の教養本は、とってもありがたい。
キリスト教のことを調べているワケじゃないんだけど、目下必要な知識にはキリスト教の初歩的
な知識がないとニッチモサッチモな場合や、別にシェークスピアについて知りたいわけじゃないんだ
けど、現在読んでいるお話はシェークスピアの基本的知識がないと、わけがわかんないって場合
や、いや特にイスラム教の知識を得ようとしているワケじゃないんだけど、得ようとしている知識
にとって、イスラム教の一般的な知識がないと右往左往することになる場合など、阿刀田氏の
この手の概説(?)本は、たいへんにありがたい。
初歩的・基本的・一般的な内容を、わかりやすくまとめてくれているだけじゃなく、折々に著者
が登場して、その執筆の際の調べの背景から個人的な違和感や納得感をチラっとまぶしてく
れており、これが該当分野にとって馴染みのない読者をものすごくエンカレッジしてくれます。
それらが阿刀田氏の短編でもお馴染みの、落ち着いた筆致で淡々と叙述された日にゃあ、
いやでも脳に染みこもうというもの。
そして阿刀田氏の一連の教養本の効用は、扱われているあれこれを「知れる」だけに留まりま
せん。読了して、常に思い知らされること(つまりこれも阿刀田氏の手柄)は、「これは入り口の
最初の一歩」でしかないということ。遙かな「教養」の高みへと、実際にはそこへ向かって足を踏
み出さないまでも、目線を連れて行ってくれます。
青い罠―阿刀田高傑作短編集 (集英社文庫 あ 13-11)
阿刀田 高 集英社 集英社
コーランを知っていますか (新潮文庫)
阿刀田 高 新潮社 新潮社
入門書としてとてもいい
よく調べてある。
イスラム教の本で、読みやすいのは中々ない
文庫なのも嬉しい
ぶっちゃけ文章はあまり好きではないけど
中々、聞けないイスラムの謎を一網打尽にしていている
著者は信者ではないとの事だが
だからこそ、無信者が疑問に思う所を率直に答えている
文体は軽いので、ムスリム(マ)は怒るかもしれませんが
イスラム教やクルアーンと真剣に向き合っていると思う
無神論者が作る足がかり
この本のおもしろいところは、コーランに対する本音(あまり多くの人が表立っていえないようなもの)をずばり言っていることだろう。
あくまで、無神論者からの視点である。
たぶんこの本は、日本人はすんなり受け入れられても、諸外国、キリスト教やイスラムの人びとは、とうてい受け入れられない類だと思う。
これを読んだだけで、「イスラム教を知っている」と思うことにはならない。
なぜなら、多くのイスラム信仰者は、コーランを勉強することはあっても、通読、暗誦できるものはそう多くはないからだ。
(私たちだって、仏教の言葉は聞いてもほとんど分からないように)
彼らは、彼らなりの信仰に生きていて、それは必ずしもコーラン通りではない。
だからスンニ派やシーア派、原理主義、スーフィズムなど、いくつもの分派に分かれる。
この本では、コーランのことを概観できても、その先のイスラム全体は分からない。
入門書と言ってよいのかどうかは不明だが、岩波3巻分を読むのが辛い人には、これを足がかりにするのはアリではなかろうか。
ただ、これを読んで「知ったつもり」になるのは、いろいろと止めておいたほうがいいと思う。
信じる人はいつだって真剣なのであって、こうしたちゃかし方は、おそらく彼らの好むところではないだろうから。
イスラムの入門書に最適。
本書はイスラム教の聖典である『コーラン』を一般読者にもわかりやすく解説することを目的としたもの。『コーラン』だけでなく、イスラム教の開祖であるマホメットや、イスラム教の教義についても上手に纏められている。
著者はイスラム教の専門家ではないし、本書自体も学術書ではなくエッセイであって非常に読みやすいのだが、あまりにも読み易いので読んでいる途中、「こんなに軽くて、間違ったこと書いてないのかなあ・・・?」と怪しんでしまった程だが、その点解説を担当しているイスラム教専門の学者によると、大丈夫!だそうだ。むしろ著者は本当によく勉強していて、本書はイスラムの専門家から見ても、非常によくできた入門書になっているらしい。
日本人のイスラム教のイメージには、「何をしでかすかわからない」とか「女性を差別している」とかいうものが多いだろうけれども、「ある程度イスラム教を勉強してからきちんと判断しようじゃないか」というのが著者のスタンスなんだろうと思う。
イスラムの教義に賛成するにせよ、反対にするにせよ、まずは知らなくちゃあ話にもならない。
本書はそのイスラム教を知るということの取っ掛かりに最適な本である。
とてもわかりやすい。
とてもわかりやすいコーランの解説書。なんか毎日のようにテロがおきて悲惨なことになってしまっている
イスラム教の国々。好戦的な宗教なのでしょうか?という先入観がありますが、
本書をよめばわかるように、キリスト教、ユダヤ教の親戚みたいなもので、
異教徒死すべし、なんてかいてません。むしろ、無宗教な日本のほうがイスラムの国からすれば、戦争を
しているキリスト教国よりはるか遠くに存在する国だそうです。
知らないのはお互い様で、日本人(個人的に私は禅宗)からしてみれば、イスラム教って
接点ないですねえ。いいともわるいとも、なんとも意見のだしようがないですね。
・・・という、普通の日本人の視線から述べてあるので、イスラム教の方からすれば”冷たい”書き方
がところどころありますが、それが正直なところの感想であるという気がします。
あらためて、毎日海外ニュースにとりあげられるイスラム教を理解するにはいい本ですよ。
良書.一読の価値あり
それを専門とはしていない普通の人の感覚で,その専門家からみても大きく勘違いをしていない書を書けるということを許された稀有な人材が阿刀田氏であるように思う.この意味で,とくに阿刀田氏がイスラム圏を旅した記,第10話「聖典の故里を訪ねて」は興味深かった.
なんとなく,全体的にキレに欠ける印象をもったが,「聖典」をエッセイに転換していくことの難しさ故なのだろう.それだけ,オリジナルを踏まえているということの証左とも言えるかもしれない.
それにしてもイスラム教がこんなにキリスト教(やユダヤ教)に近いとは思わなかった.厳密には違うだろうし,それぞれの信者からすれば「全然違う」と言うのだろうが,もっとずっと思想や文化的に遠い東洋の一島国にいる人間から見れば,似ているところも結構あるんじゃない,と思わずにいられない.これは私個人に限らず,普通に学校教育を受けてきた日本人の感覚ともそう違わないのではあるまいか.
イスラム教について,ニュートラルに考えていく,その第一歩として,本書と出会えてよかったと思う.
黒い回廊 (集英社文庫―阿刀田高傑作短編集 (あ13-9)) (集英社文庫―阿刀田高傑作短編集 (あ13-9))
阿刀田 高 集英社 集英社
街のアラベスク
阿刀田 高 新潮社 新潮社
短編好きが唸る一冊。
緻密な伏線、行間を読ませる文章構成、そして、読者を黒い笑いへ、またある時はじんわりとする感動へと導くどんでん返しの結末、総てが最上級の阿刀田高さんによる短編集。本作では、やや艶笑譚の傾向が強いが、男女間で繰り広げられるエトセトラが決して下品なものにならず、上品な雰囲気を漂わせているのは阿刀田さんの作品の特徴。一作品読んだら、もう一作品と手を伸ばさずにはいられない阿刀田さんの短編作品の魅力が随所に溢れている。作者も強く影響を受けたというロアルド・ダールが好きな方はもちろん、短編小説が好きな人にもお勧めしたい一冊。
楽しい古事記 (角川文庫)
阿刀田 高 角川書店 角川書店
さすがに上手。
さすがに阿刀田高さんだけあって、原文では読みにくい古事記を枝葉をはらい平易な言葉でおもしろく語っている。
特に前半の神話的な部分は、多くの話はすでに知っていたものの、改めて読んでみると「日本人は本来こんなにも生き生きとした人間味豊かな人たちだったのか」と感じ、本居宣長の大和ごころの主張がわかるような気さえした。
また、阿刀田さんが各地の古事記ゆかりの土地へ旅した記述も織り込まれており、紀行的な要素でも楽しめる。
ただ、あえて難を言えば、私にとっては、後半の歴代天皇の事跡の部分は同じような話が続き、少したいくつに感じた。
阿刀田ワールド
以前古事記を読もうとして断念した人、さわりだけでも知りたい人、興味はあるけど読みきれなそうな人、この本ならそんなあなたでも愉快に楽しく読めます。
日本の神さまは女好きで大酒のみ
イザナギ・イザナミの国造り、アマテラスの岩戸隠れ、八俣の大蛇。伝説の主役たちが、嫉妬に狂い、わがままを言い、ご機嫌をとる。神々と歴代の天皇が織りなす武勇伝や色恋の数々は、壮大にして奇抜、そとて破天荒。日本の神さまはとっても人間的だった。
欽明天皇は子だくさんで、治世も長かった。男女合わせて25人の子があり、4人が天皇となった。第30代敏達天皇、第31代用明天皇、第32代崇峻天皇、そして第33代推古天皇、わが国最初の女帝である。古事記はここで下巻を終え、全体も閉じている。日本書紀の方は、この先第41代持統天皇まで扱っているが、この天皇も女帝である。(それがどういう意味かの言及はない)
大ざっぱに言えば、古事記の方が物語性が強く、話として読みやすく、生き生きとしている。日本書紀は歴史性が濃く、体裁も中国の歴史書に模して整え、漢文で記してある。日本の神話を楽しむには、古事記の方が適している。
例えば、「成り成りて、成り合わぬところ」に「成りなりて、成り余れるところ」を刺し塞いで国生みをしようと、素朴に暢達に書いているのに対して、日本書紀では「陰のはじめ」に「陽のはじめ」を合わせて、であり、陰陽の二気によって世界が成ったという思想を明確に打ち出している。このエッセイでは古事記を中心に散策を楽しんでいる。著者は、ざっくばらんに、古事記に関連する土地へ取材に行った時の自分のことまで書き綴っている。親しみが持てるとも言えるし、よけいな感じもしないでもない(雅)
古事記の楽しさ、日本のルーツを手軽に再発見
「楽しい古事記」とありますが、日本の聖書ともいえる「古事記」は確かに「楽しい」。日本神話の話はどこかで聞いたことがありますが、改めて読むと、登場する神々は、欠点が多くとても人間的です。
阿刀田氏は、古事記の記述を実はこういうことだったんだろうと推理しますが、これもかなり読みやすくしています。
戦後教育の影響かもしれませんが、日本神話の世界を大人になって読んだことのある人は多くないかもしれません。本書は、古事記の楽しさ、日本のルーツを手軽に再発見できるいい本だと思います。
古事記入門書として。
古事記といえば、神々や天皇について書いてある本。日本のことだし興味はあるけど近寄り難い、そんな私のイメージを砕いてくれた本です。
面白おかしく書いてあり、1300年も昔に書かれたとは思えないほど、あちこち共感出来て一気に読めちゃいます。
共感出来たり失笑してしまうところがあるのに、日本の神々は本当に人間に近いんだなぁと改めて感じました。
意地っ張りだったり情けなかったり、恋愛にしてもご機嫌をとったり嫉妬したり。そこがまた魅力的なのでしょうが。
面白く読めて、よく聞く神々や伝説上の人物について詳しくなって、お得な気分になれる本です。内容的には、専門書としてより初心者の入門書という感じです。
古事記は難しそうだからと敬遠していた人には、是非オススメしたい本です。
ギリシア神話を知っていますか (新潮文庫)
阿刀田 高 新潮社 新潮社
ヨーロッパ文芸の奥行きを感じる!
トロイア王国のカッサンドラやアンドロマケ、
オデュッセウスの妻、ペネロペイア 等々、
「イリアス」「オデュッセイア」の世界に登場する魅力ある人物たちについて
阿刀田さん、現代文学まで連綿と続く様を、わかりやすく説明してくださっています。
「・・フランス演劇は過去に優れた古典劇の作品群を持ち、
文化の伝統としてもギリシア・ローマの影響を色濃く受け継いでいるので、
現代の劇作家もこうした古典を題材にしてそれをパロディ化し、
一つの枠の中で自分の演劇を展開する傾向を根強く持っている。」
アイスキュロス、ソポクレス、エウリピデス
モリエールやラシーヌのフランス演劇、
ジャン・ジロドウ「アンフィトリオン38」
ジャン・アヌイ「アンチゴーヌ」
サルトルの「蝿」、カミュの「シシュポスの神話」
「・・ヨーロッパ文芸の奥行きは深い。
その遠い源流にギリシア神話がある。
二十世紀の文芸を理解するためにもギリシア神話への配慮が必要だ。
オイディプスからアンティゴネまで、血なまぐさい一連のエピソードがいろいろな姿に
形を変えて現代に生きている。・・」
招待者は楽しげに笑いながら手を引いて、気づいたら消えていた。
軽い文体で読みやすかった。
電車の手持ち無沙汰に、友人のカバンから取り出されたのが出合い。
ギリシア神話も、著者も初めてだった。
「ギリシア神話、読みたかったんだよね〜」
と、独りごちて繙き、すぐに引き込まれた。
私の勝手なイメージでは、ギリシアの神々はどこか遠くにいて、
太陽も握り潰さんばかりの偉大さをまとって近寄り難かったが、
本書の中では、神々や英雄は皆、等身大に描かれていた。
まるで、ゼウスは女に目がないワンマン社長、
アテネやアフロディテは妙に張り合うOLのようだ。
神話が人によって語られてきたことを忘れていた。
人が歴史の中で蓄積してきた生きる喜び、楽しさ、
悲しさ、悔しさ、希望が凝縮されたものが神話なのだ。
だから神々も英雄も、遠いどこか知らない所ではなく、
私たちの中にいるのだと考えた。
本書は入門の手引きという感じで、
この一冊でギリシア神話について何もかもを手に入れることは出来ない。
だからこそ、これを取っ掛かりに、まだ読みたい、もっと知りたい、
そう思わせてくれる本だ。
ヨーロッパ文明の源流にあるギリシア神話。その中から、粒よりの十二のエピソードの旅へ・・・
先日読んだ同じ著者の『私のギリシャ神話』(集英社文庫)と比べて、神話の物語として、より面白かったのは本書のほうですね。重複する部分も多いのですが、集英社文庫のビジュアル版に比べて特に面白味を感じたのは、次の二点。まず、ホメロスの物語に導かれてトロイアの遺跡を発掘したハインリッヒ・シュリーマンのエピソードが、ビジュアル版では一頁ちょっとの分量だったのに対して、本書では八頁にわたって紹介、記述されていたこと。もう一点は、ホメロスの作品で有名なオデュッセウスの物語が、ビジュアル版よりも大きく取り上げられていたこと。冒険・放浪譚の面白さがよく出ていたこと。
一方で、集英社文庫のビジュアル版の何よりの美点は、ギリシャ神話にまつわる絵画や彫刻が多数、カラー図版で掲載されているところにあります。このため、ギリシャ神話がどれほどその後のヨーロッパの芸術作品に影響を及ぼしたかが、一目瞭然なんですね。視覚的に雰囲気のあるのは、断然、『私のギリシャ神話』のほうです。
本書は、以下の十二章で構成されています。
「トロイアのカッサンドラ」 「嘆きのアンドロマケ」 「貞淑なアルクメネ」 「恋はエロスの戯れ」 「オイディプスの血」 「闇のエウリュディケ」 「アリアドネの糸」 「パンドラの壺」 「狂恋のメディア」 「幽愁のペネロペイア」 「星空とアンドロメダ」 「古代へのぬくもり」
本書では紹介されていなくて残念でしたが、オイディプスのエピソードをもとにしたジャン・コクトーの『地獄の機械』という戯曲があります。謎をかけるギリシャのスフィンクスを始め、神話の幻想的な雰囲気が強く伝わってきた作品。これも面白いですよ。
ギリシャ旅行
ギリシャ旅行に出かける前に
前知識として少しでも神話のことを知っておこうと思い
読んだ本。
神話だけにもっと素敵な神様がたくさんでてくるのかと思いきや
神様が嫉妬したりエッチだったりとても人間味にあふれてて
読みながら何度も笑ってしまった。
こういうちょっととっつきにくかった本を身近に感じさせてくれるのが
この作者のすごいところだと思う。
神様って?
神様も人間味溢れてんだね!
どっかの宗教と違って絶対的に正しい存在ではない。日本でもたくさんの神がいるがギリシャも多いなぁ〜、悪い事よくヤルし、エッチだし、嫉妬深いし。
おもしろいです。知識が広がりますよ!
こんな話を聞いた (新潮文庫 あ 7-30)
阿刀田 高 新潮社 新潮社
極上のオードブルたち
名手、阿刀田 高の短編集。各編の冒頭には、様々な作品のさわりやエピソードが紹介され、本編との間に見事なコントラストをみせる。
ほのぼのした話、怖い話、エスプリの効いたニンマリとする話、阿刀田氏の手腕が堪能できます。
確かな腕のシェフが造った渾身のオードブルのように、小さながら、大きな存在感を感じさせる作品ばかりです。
さぁ、これ以上の口上は無駄というもの。名人芸を心ゆくまでご堪能あれ!
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