小川未明童話集 (新潮文庫)
小川 未明 新潮社 新潮社
泣いてしまう
小川未明の童話25篇が収められている。
「赤いろうそくと人魚」、「野ばら」、「兄弟のやまばと」などの有名な作品も入っているので、初めての人にも読みやすいのではないだろうか。
叙情性と哀しみに満ちた作品ばかりで泣けてしまう。他に類を見ないタイプの童話だと思う。
小川未明の作品集は、ほかにも岩波文庫、春陽堂文庫、講談社文庫などで出ている。いちばんオーソドックスに読みたいなら、この新潮文庫版かと思う。
ネットではじめて知りました。
宮沢賢治は知っていましたが、小川未明は恥ずかしながらネットで偶然知りました。おじいちゃんが傍で語ってくれるような、そんな感覚がありました。”野ばら”では、バラの花の香りが、月夜と眼鏡では、やわらかな香水の香りが、本当に香ってくるような、美しい文章でした。母に聞いてみたら、やはり知りませんでした。(母もかなりの本好きですが・・・)母も同じく感動したようです。星新一のショートショートのようなオチではなく、淡々としたオチで、最後はこういう意味だったのかな?等と読み終わった後、考えさせられる内容です。
綺麗な日本語だなぁ
『赤いろうそくと人魚』で有名な小川未明氏の童話集。25編の短編が収録されていますが、まずタイトルを見ただけで心躍ります。「月夜と眼鏡」「眠い町」「雪くる前の高原の話」「負傷した線路と月」「遠くで鳴る雷」「島の暮れ方の話」etc。なんて綺麗な日本語でしょう。無駄がなく、力みがなく、サラサラと流れていくような。言葉が伝えるのは「情報」だけではないのだと実感させてくれる文章の数々。言葉は情景を描き、空気も作り出します。他のレビュアーさんもおっしゃるように、私は自分の日本語に恥じ入りました。多くの人々に読んで頂けたら、と強く感じる一冊です。子供はこういう日本語を音読しましょう。
おもちゃ箱を覗き込むような、新鮮な感覚。
日本にもこんなに素敵な童話があったのか!
グリム兄弟とかアンデルセンとか読んでる場合じゃないよ。
この一風変わった、どこにもない物語たちを愛でるべきだ。
日本らしいお話の数々が詰まった、まさに“童話集”。
子供向けだなあと思うものから、少し物悲しい大人向けのお話まで。
時には風刺も交えた素敵な本。
これを書いた小川未明さんという男性についてもっと知りたくなりました。
可愛い本でした。
貧しい時代の物語でちょっと暗い感じがしますが受けるかな?
25篇の短篇からなっています。創作時期は1910から1950年の40年に亘っています。
まだ、日本が貧しく、児童福祉や児童労働の問題もよく認識されていない時代です。
登場人物は一部に強欲、情の薄い者もいますが、善良ないし平均的な市井の人が大部分です。ストーリーには優しさ、哀しさ、暗さ、ロマンティシズム、アンフェアーな社会への憤りなどが含まれています。
星新一のショートショート、金子みすず、新美南吉などとの類似性を感じます。
小川未明集 幽霊船―文豪怪談傑作選 (ちくま文庫)
小川 未明 筑摩書房 筑摩書房 東 雅夫
いまいち
東雅夫さんが編纂したものはほとんど読んでいるが、
これはいまいち。
似たような話が多い。
読破するのがツラかった。
過剰な脚色
文章がだらだらと長く、句点、情景描写、修飾語が多すぎ、ひとつの文で主語が変わる。
現代文としては悪文の範疇。
100年近く前の作品なので古い言葉や読みなれない漢字が多いのはやむえない。
哀しい、貧しい、暗い、周りの人の心にゆとりがないといった感じのストーリーが多い。
そんなところに関心を持つのが未明の性格、心情か。
多く使われる形容詞に「厭らしい」があるが、この本も厭らしさを感じないではない。
読んでいて疲れる。
幻想怪奇マニアのための贅沢な時間
このシリーズはほとんど読んでいるが、子供のころの恐怖を書かせたらこの人の右にでるものはないのではないだろうか?
かくれんぼで遅くまで遊んで井戸の底から見あげる夕の星、嵐の中、両親を待つひとりぽっちの子供の焦燥感。誰もいない廃屋、帰りたいのに帰れない恐怖。
ホラーマニアにとって、極上の時間を過ごせる珠玉の短編。
小川未明童話集 (岩波文庫)
小川 未明 岩波書店 岩波書店
泣き
31編が収められている。「野ばら」「赤いろうそくと人魚」など有名な作品も多い。
ものすごい叙情性が小川未明の持ち味。美しく、哀しい。読んでいて思わずジーンとなってしまう。しかも、安っぽいお涙ちょうだいの話ではなく、人生や社会の奥底に踏み込んでいるところが素晴らしい。
童話と銘打たれてはいるが、決して子どもだけのものではない。大人にも、ぜひ読んで欲しい。
小川未明童話集―心に残るロングセラー名作10話 (心に残るロングセラー)
小川 未明 世界文化社 世界文化社 北川 幸比古
赤い蝋燭と人魚
小川 未明 偕成社 偕成社
大正10年の発表以来、繰り返し読み継がれ、多くの画家の挿絵にも描かれてきた小川未明の名作童話。酒井駒子の情感豊かな、ざらざらした油絵タッチの絵をつけて、新感覚の絵物語に仕上った。
わが子だけは明るいにぎやかな人間の街で育ってほしいと、冷たく暗い北の海に住む人魚の母親は願い、子どもを神社に捨てた。その赤ん坊を拾ったのは蝋燭(ろうそく)つくりの老夫婦。神さまからの授かりものと大切に育てたが、よこしまな香具師についそそのかされ、美しく成長した人魚の娘を見世物に売り飛ばしてしまう。哀れな娘が最後に残した3本の赤い蝋燭を取り戻しにきた、人魚の母の復讐は…。
人間というものへのかなしみが漂うこのお話を、酒井の絵は浄化している。幼児の心をつかんだあの『よるくま』のイラストとは異なる、こんどは奥行きある絵画性で。人魚の皮膚や貝殻、蝋燭の炎や嵐の翌朝の空の色、みな暗い闇から差す光のように見えてくる。黒く塗りつぶされた背景に、赤、青、黄の三原色を基調にした抑制された色づかいが、色とは光でもあったのだ、とあらためて気づかせてくれる。(中村えつこ)
駒子さんしかいない
ずっと心に残っていた物語です。
多分、一番はじめはNHKで見た映像なんだと思います。
暗い影絵のような映像で、幼稚園の頃に見た話なのにいつまでもその物語は頭に残っていました。
そして偶然、酒井駒子さんのこの絵本を知って……衝撃でした。
もうこの物語には、酒井駒子さんの絵以外にないだろうと感じました。
黒地を塗ってから描かれる駒子さんの絵はこの物語になんと相応しいことでしょう。
テレビではカットされていたのか、記憶にない最後の一行を読んだ時、鳥肌が立ちました。
美しく悲しい物語
小川未明さんの物語全体が、非常に美しい、また人間の業のようなものを鮮やかに書き出していますが、それに酒井駒子さんの絵が非常によくあっていると思います。だんだんとお金に目がくらんでいく育ての親に、この人魚は一人じっと耐えるわけですが、それでも恩返しをしようと必死になる姿には感動を覚えます。酒井駒子さんの絵も、非常に美しく、また悲しさも伴っています。大人の方にぜひおススメしたい一冊です。
人として失ってはならぬものとは
このお話を酒井駒子さんの素晴らしい挿絵と共に読むと、妙に良寛さんを思い出す。子供好きだった良寛さんは村の子供達を集めてよく一緒に遊んだが、昨日までいた女の子が一人また一人と消えていった。貧しさからやむなく親が娘を身売りさせたのだが、そんな時、良寛さんは己の無力さを嘆いたものらしい。
この人魚の娘も売られていくのだが、このお話の中には自分の無力を嘆く者は誰もいない。いるとすれば、作者の小川未明と読者だ。だが、このお話はそれだけでは終わらない。
人魚の母親、育ての親、周りの大人たちを読者は醒めた目で見るに違いない。そして、人として失ってはならないものを失った時にどんな世界が待っているのか?苦難の人生を送らざるをえない中でも前向きに生きた小川未明の恐るべき人間への洞察が込められた名作である。
心に残る本
とても、悲しい本であり、人の心理をよく、ついてある、奥深い本だと思います。私が、初めて、小川未明の本とであったのは、20年位前の学校の教科書でした。大人になった今でも、沢山読んできた本のなかから、この赤い蝋燭と人魚だけはずっと忘れられず、今回購入しました。
私の、バイブルです。寂しいときにふと、読むと、共感できます。
密やかな愉悦。
酒井駒子さんというひとの抗し難い魅力を語るのに、現在のところ、この本ほど相応しいものはないと思います。
この人魚に出会ったときには、ふるえてしまいました。
こんなに恥じらっていながら匂い立つような色香を放つ姿に、何度見ても身体の芯が疼くのを感じます。
どんな子どもたちを描いていても、そこにエロティシズムを感じずにはいられなかったので、
この絵本の登場にはため息さえ漏れました。
子どもの頃、わたしはこういう雰囲気の絵が苦手でした。
とても好きで、いつまでも眺めていたいのに、ひと前では直視してはいけないような気がして・・・。
今は大人になって、誰彼かまわず、人目を憚らずに(この)絵本の色情を愉しむ悦びに浸っています。
このひとの絵を見て、誰かの肌が恋しくなったとしても、許します。
あなたのその感覚は、すこぶる正しいと思います。
そして、かつてのわたしと同じように感じている子どもたちに教えてあげたい。
あなたの感受性は、すばらしいと。
野ばら (小川未明名作選集)
小川 未明 ぎょうせい ぎょうせい
赤いろうそくと人魚 (日本の童話名作選)
小川 未明 偕成社 偕成社
人間の欲深さをシビアに
むかしむかしおじいさんとおばあさんが・・
子どものない二人は貧しいながらも心やさしく・・
そこへ「神様の授かり」として赤ん坊が・・
そんな場面からはきっと幸せに暮らしていく昔話が想像されることでしょう。
しかし、小川未明さんはシビアに欲の誘惑によって変化する人間模様をこの本に表しています。
娘にだけは幸せにと願う人魚の母の親心と、それが裏切られたときの行動も、激しいけれど本音の親心に感じます。
野ばら―小川未明童話集
小川 未明 童心社 童心社 茂田 井武
砂漠の町とサフラン酒
小川 未明 架空社 架空社
今まで見た本の中でも一番美しい絵本の一つ
小川未明の大人のための童話を、こんなにも的確なイメージで版画化されたことに驚異を感じました。装丁、印刷に細心の注意が払われています。この不思議なお話を、説明的でなく、直接的なイメージとして伝えてくれたことに感謝します。
小川未明 (新潮日本文学アルバム)
新潮社 新潮社
1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 » [17]
合計件数:168 合計ページ数:17