老妓抄 (新潮文庫)
岡本 かの子   新潮社   新潮社  
切ない心。
短編集なので、どれもこれも読みやすい分量でまとまっています。表題作『老妓抄』をはじめ、いくつかの作品に、その物語を最後にきりりッ!と引き締める、作者の詠んだ歌が素晴らしい味わいを醸し出しています。どの作品も印象的で、最近良く言われる、美しい日本語で、雰囲気も伝わってきます。

この作品の中で一番のオススメは『蔦の門』と言う作品です。主人公の雇っている一人身の老家政婦と両親のいないお茶屋の娘との、血よりも濃い絆を描いた作品なのですが、二人の遣り取り一つとっても、情感を込めるのがとても上手く、泣けてきます。この一作のためだけでも読んでみる価値はあります。
「・・・いよよ華やぐいのちなりけり」
昔教科書で読んだ「家霊」の、胸苦しい読後感が忘れられずにこの短編集を手にとりました。ここに収められた九編にはいずれも、なにかに取り憑かれた者達の、生きることへのむき出しの情熱がふつふつとたぎっており、現代人の消極的な生を省みさせられるような気がします。なかでも「老妓抄」は、著者最後の歌「年々にわが悲しみは深くしていよよ華やぐいのちなりけり」を想起させる逸品だと思います。


岡本かの子 (ちくま日本文学全集) 岡本かの子 (ちくま日本文学全集)
岡本 かの子   筑摩書房   筑摩書房  
すごい。とにかく。
金魚繚乱から入ったのですが、
かの子はすごい。いやまじで。

あの時代に「巴里の蝸牛養殖」に思いはせちゃったりさ。
高い空の話して、中くらい高い空見て、花壇きて、え、最後「○○」??とか。
                     しかも生まれたてなんだ!!みたいな。
(ネタバレ防止。。でも…あーー、言いたい!!)

最初は金魚繚乱(PIE「きんぎょ」収録)から入ったんだけど、
さすが、金魚〜以外も、経歴を裏切らない、美しく狂った作品です。

まずは青空文庫あたりからお試し下さい。

仏教人生読本 (中公文庫BIBLIO) 仏教人生読本 (中公文庫BIBLIO)
岡本 かの子   中央公論新社   中央公論新社  
日本人の基本心情
西洋からのキリスト教的文化に真っ向から向き合わなければならない現代。そんな中で日本人は長年付き合ってきた価値観とのギャップに苦しんでいるのでは、と感じることが多い。そんな中で出会ったこの本をその心情を明確に示してくれていると僕は思います。

軽く考えず重く考えず、中庸というものが仏教から来た考え方でありその中で生きていくことを明確に指摘してくれて、癒されます。

なんか、生き方に迷ったときに参考として読んでみても良いと思います。


河明り・老妓抄―他一篇 (岩波文庫)
岡本 かの子   岩波書店   岩波書店  

一平 かの子―心に生きる凄い父母 一平 かの子―心に生きる凄い父母
岡本 太郎   チクマ秀版社   チクマ秀版社  

岡本かの子全集〈1〉 (ちくま文庫)
岡本 かの子   筑摩書房   筑摩書房  

巴里祭・河明り (講談社文芸文庫) 巴里祭・河明り (講談社文芸文庫)
岡本 かの子   講談社   講談社  

岡本かの子全集〈5〉 (ちくま文庫)
岡本 かの子   筑摩書房   筑摩書房  

与謝野晶子・岡本かの子 (新しい短歌鑑賞) 与謝野晶子・岡本かの子 (新しい短歌鑑賞)
木股 知史   晃洋書房   晃洋書房  

かの子撩乱 (講談社文庫 せ 1-1) かの子撩乱 (講談社文庫 せ 1-1)
瀬戸内 晴美   講談社   講談社  
連日夢に・・
この本を読んでいる間、連日夢にかのこが出てきました。強烈な個性の岡本かのこの半生をじっくりと読みました。ひとつの事を極めるとは、異常と隣合わせと思いました。普通からは何も生まれない・・繊細な神経と自己愛、非常識の中に生きるかのこの中の常識にも驚くばかり。そして並外れた才能がかのこにはあり又息子太郎も・・愛を語るには、あまりにも滑稽な外見のかのこ。しかし、「人間は外見が9割」などとは言わせない・・魅力の持ち主なのか?岡本かのこの本も魅惑的です。瀬戸内さんの本は、いつも読み応え満点です。

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