解決まではあと6人―5W1H殺人事件 (講談社文庫) 解決まではあと6人―5W1H殺人事件 (講談社文庫)
岡嶋 二人   講談社   講談社  
さすがは!!
斬新な設定。さっすがですね。おもしろい。
女が次々と興信所を訪れるので、章ごとに舞台となる興信所が異なります。
銘々の興信所で奇妙な依頼をし、それが一応解決される。
そして女は次の興信所へ行きまた奇妙な依頼をする・・・。
これが幾度か繰り返されるうちに事件の真相が読者にのみわかってくるのです。

そしてラスト。びっくりです。そうきたかっ!!
この意外性がミステリーの一番の見せ所。
ここを外さないのはやはり岡嶋二人さんです。


本格好きのための変格
~最初の数章は、平林貴子という女性が色々な興信所に理由を言わず、
奇妙な依頼をし、それぞれの興信所がなんとか依頼内容を調査する、
という形で、終盤に行くとその体裁が崩れてくる。

何が謎でどういう事件かも分からないまま、群盲、象をなでるがごとく、
読者は次第に事件の全体像を掴んでゆくことになる。
まあ、はっきり言って私には凝り過ぎて~~て、
犯人どころか事件の内容までどうでも良くなってしまった。
登場人物の調子や、文章そのものは軽妙で読みやすいのだが。

凝ったフーダニット好きには、楽しめる事請け合い、かと思う。~
秀作
これだけ殺人がおこっても、暗くない作品は珍しい。
逆に言えば、盛り上がりに欠けるのですが、最後までページをとめることなく読めました。
「なんか面白い本ないかな」と思ったとき、この作家(方々?)の作品ははずれがありません。

個人的にはキャラの魅力で小説を読むほうなので、星は4つにさせていただきました。
飽きさせずに一気に読ませる出来。魅力的な一冊。
WHO? WHERE? WHY? HOW? WHEN? WHAT?
の章立てで物語は進んでいきます。

謎の女が次々と興信所に不思議な依頼をしていき、
それぞれの探偵が大きな犯罪の匂いを嗅ぎ付けるが消えてしまう䊊依頼人。
女の目的は一体何なのか?
やがて全体が見えてくると。。。といった感じ。


クラインの壷 (新潮文庫) クラインの壷 (新潮文庫)
岡嶋 二人   新潮社   新潮社  

読み終わった後の次の日、何度もほっぺをその日、つねってしまった。
一言で言うと、酷く怖かった。
ミステリーでもサスペンス、はたまたホラーでもないのにも関わらず、だ。

現実とクラインの世界が入り混じって、本当の現実がどれだか分からなくなってしまう。
その前に、本当に私達がいう「現実」は存在しているのだろうか。
悲しいほどにこの本の世界へと引っ張られてしまった。
愛、友情、約束、絶望。そんなものが薄っぺらい「本当」だとしたら
全てが否定される、真実そんな世界が本当なのだとしたら、
私の築いてきたもの、すべてが偽だったら。
年が浅かった時期とは違って、何にも疑いを持つ事がなくなった私達は
このクラインの壺ではない、「クラインの壺」の中に現に入っているのかもしれない。
新たに自分の周りを、そして自分を見直す機会を与えてくれた本だった。
この世界は夢、幻
この作品のレビューで怖いと思った人が多そうだが、私にとっては何かむなしさが残る作品であった。
私たち人間一人ひとりは、あるいはすべての生き物は、神か、創造主か、何者かによって組み立てられたプログラムの上を歩いているだけである。
そう、この世界は夢幻、虚構、フィクションである。
岡嶋二人、個人的に好きな作家の一人であるが、好きになれない作品であった。
ゾクっとする体験ができる一冊
かなり昔に書かれたものなのに、ストーリーが非常に斬新。内容は、主人公が体験ゲームのバイトをする、というのを軸に展開していくのですが、バーチャルと現実の世界を行ったり来たりするうちに、主人公も読者もその境界線がどんどん分からなくなる。それが非常に怖い。現代のいかにもの3Dバーチャルでなく、15年前的なゲームの世界観がまた良かった。ミステリーがサスペンスかSFか、分類は難しいと思う。最初の50ページ読んだ後は、もう一気に最後まで読んでしまっちゃいます。また終わり方も、後をひくような、ゾクっとする怖さを残します。
良くも悪くも、井上夢人の世界観を反映した作品
岡嶋二人の最後の作品であり、井上夢人の実質的なデビュー作である。
読み始めて最初の内は、作者だけがヴァーチャルリアリティ・システム
『クライン2』を楽しんで書いていて、その楽しさが読み手まで伝わって
来ないような印象を受けた。

主人公が『クライン2』の目的に疑問を抱き始め、謎を追っていく中盤
以降はスピード感ありテンポよく一気に読める。
特に研究所に潜り込むあたりのシーンはスリルがあり、物語に引き
込まれる。読みやすい文章であり、作者である井上氏の力量だろう。

だが、最後の落ちが物足りない。
まだ何かあるんじゃないかとページをめくったら、
そこは新井素子さんの変な解説だった。

良くも悪くも、井上夢人の世界観を反映した作品である。
ただ、井上氏が我がまま?を言ってボツにしたという徳山バージョンも
読んでみたい気がする。
井上先生、書いてくれないかな。
え、これで終りですか?
はじめて岡嶋作品を読みました。わたしはビデオゲームをまったくやりません。ただむかしからごっこ遊びは好きでしたが。
まずこの作品の元になるゲームが、ともに(?)ちゃちな感じを受けました。現実と非現実のせめぎあいは半分ほどから推測でき、プロローグとどう結びつくのか期待しましたが、これはまったく不満に思います。
ヤングアダルト向きのSFミステリーというのがわたしの読後感想です。ただ読みやすさは上級クラスです。

そして扉が閉ざされた (講談社文庫) そして扉が閉ざされた (講談社文庫)
岡嶋 二人   講談社   講談社  
密室殺人ならぬ密室推理の異色作
 別荘に集まった遊び仲間の男女5人。その中の一人で別荘の持ち主である咲子が、崖から車ごと転落するという不審な死を遂げる。それから3ヶ月後、当事者だった雄一、鮎美、正志、千鶴の4人は、密閉された奇妙な部屋で目を覚ます。咲子は事故死ではなく、殺されたと疑う咲子の母親によって閉じ込められたようだ。そこは別荘の地下にある核シェルターらしいこともやがてわかってくる。4人はシェルターからの脱出を試みながら、三ヶ月前の出来事を改めて回想していく。咲子の母親が言うように、あれは本当に殺人だったのだろうか。だとすれば、この4人のうちのいったい誰が…?

 主要な登場人物はこの4人だけで、状況設定もシンプルなものの、ストーリーが進むにつれ、次々に新たな疑問点が浮上し、推理は錯綜していく。誰に殺す機会があったのかをめぐって、各人の行動が検証されていく後半の展開はなかなかスリリングで、彼ら若者5人の恋愛模様や人間関係のもつれを織り込みながら、しだいに核心へと近づいていく。

 読後の印象は、「そうか、そうだったのか」と思わせるものがあるし、真相に至るための手掛かりは読者にちゃんと示されている。でも、「騙されまい」と思いながら読むよりも、自分も4人の推理に参加したつもりになって、ストーリーの行方を楽しみながら読んだほうがきっと面白いと思います。

 巻末の解説の中で島田荘司さんは本書について、「この人の全作品中屈指の『本格推理』の傑作」と評し、相当な誉め方をしている。わたし自身は、傑作とまではいかないまでも、推理の展開と意外な結末を味わえる佳作だと思います。
スタンダードな推理小説。
本格推理。
で、
回想シーンをはさみながら、
物語が展開する。

オーソドックスな感じで、
すらすら読めました。
ただ、
けっこう結末、
わかっちゃいました。
登場人物が少なくて、
密室だと、
そう、意外性も出せないとは思いますが・・・。

そう思うと、
ちょっと物足りなかったかな。
う〜ん、決して悪くはない!!
きっと、私が38歳のせいかもの知れません・・・青春ドラマ的匂いもあり、重さ深さに欠け実際の描写が目に浮かぶと言う感覚はなく、少々漫画チックでもあるように感じました。もし私が18歳でこれを読んでいたら、これ最高!面白い!と言うのかもしれません。・・・
まさに「推理」小説
「推理小説」といっていいのではないだろうか。

岡嶋二人の他著書である
『クラインの壺』や『99%の誘拐』とは
同じ「ミステリ」というジャンルで括れるが
物語の進み方は異なる。

本書はまさに「推理」という言葉があてはまる。
まず事故が起き、4人が真相解明のために
記憶を思い出しながら「推理していく様」が描かれている。
読んでいけば自然と読者も一緒になって推理できる。

対して前2作は「事件そのもの」を描いているところに
決定的な違いがある。
こちらはどちらかといえば推理というよりは
まさに「ミステリ小説」を読んでいるという印象を受ける。

これらはどちらが良いという問題ではないが
どちらもおもしろい。

自信をもっておすすめできる一冊。
無駄のないミステリー(?o?)
タイトル通り、扉が閉ざされシェルターの中に閉じ込められたシーンから始まります。
ではなぜ、誰に閉じ込められ、どうすれば出られるのかを追っていく話となります。
物語がシェルターの中と過去の話のみなので、非常に無駄がなく、文章自体も読みやすい作品です。
最後には驚きの結末もあり、万人向けの作品で、映画化にも向いていそうです。

10点中6点!!咲子親子の執念は、さすが親子といった感じですね。

99%の誘拐 (講談社文庫) 99%の誘拐 (講談社文庫)
岡嶋 二人   講談社   講談社  
すばらしいスピード感と乗り心地の良さ!
このお話は冒頭がすごいです!
事件が「ぱっ」っと始まったと思ったら、ビュンビュンと物語が“通過”していきます。
否応のない(そして決して不快でない)この引き込み方は本当に見事!!
ついついページをめくってしまうという現象に後から気づきます。高級カーに乗せられて、景色が見えない道路をつれまわされているような感覚ですかね。

時は昭和40年代。
ある中小企業の社長の息子が誘拐されたところから事件が始まります。
誘拐犯は5000万円を金塊に変えることを指定。
その5000万という金額は、社長が会社再生をかけて用意した金額と同額でした。
疑問を持ちつつ社長は息子のために奔走。
あざ笑うような犯人の指示は数度にわたり、ついに金塊は海の底に。
子供は無事に帰ってきますが、その際の社長の台詞
「これでいいんだな? ○○」
はゾクゾクきます!

さて、時代は下って昭和63年。
またしても誘拐事件がおきることになるのです。
関係者はすべて20年前の誘拐にかかわった人たち。
さらに身代金の搬送人に指定されたのは、20年前に誘拐された社長の息子!

事件は20年前をトレースするかのように続きます。

物語の最後は意外とあっさり。
「え?これでおしまい?」と思うようなエピローグです。
ここでタイトルの『99%の…』が思い浮かび、「ああ」と思う人と「ええぇ?」と思う人に分かれるかもしれません。

とってスマートで、軽くて切れ味のよい作品でした。

この軽さおすすめ
息をつく間もなくストーリーが展開。
かつて誘拐の被害者だった自分と自分を助けるために
夢を失ってしまった父の無念をはらすため、
主人公はたった一人で、被害者に接触することなしに誘拐を成功させ、
身代金として10億円のダイヤの原石を手に入れる。
しかし、そこにはどろどろした感情や葛藤などの心理描写はまったくなく、
スマート(悪く言えばまったく現実感なく)、かつ、スピーディーに
ひたすら軽く話しは展開します。
感動や感激はないけれど娯楽小説としてはすばらしい。
ジェットコースター誘拐小説
それなりに厚い文庫本なのに文章や構成がうまいのでスラスラ読める。作者は
相変わらず文才があるよなあ。疾走感を楽しむにはいい本だ。

ただし、基本的なアイデアには無理があるように思う。わざわざこんなハイテクを
駆使することも無いだろうに。それに、警察が把握していない事実を、素人の
登場人物が気付いているというのも、平凡な発想でがっかりした。ものすごい
緻密な犯罪を行なったわりには、結局何を言いたかったのだろうか?
『クラインの壺』がものすごい傑作だったのに、本書はちょっと期待はずれだった。
岡嶋二人を再評価させる疾走感
作品全編を通じる疾走感のすばらしさ。
?な部分もあるし、コンピューター関係は古色蒼然となってしまったが、
それらを吹き飛ばして余りある疾走感を楽しんで欲しい。
一気読み間違いなし。
犯人のクレバーな仕事っぷりに見入るものがある。
推理小説。
時効となった誘拐事件を背景に起こる新たな事件。
途中、読み手には、犯人が分かってしまうが、分かった上でも尚、犯人のクレーバーな仕事っぷりに見入るものがある。
ネタの隠し方とその明かし方がうまいので、テンポ良く読み進められる。
後半、期待に応え切れてない感じが残るのが残念。

眠れぬ夜の殺人 (講談社文庫) 眠れぬ夜の殺人 (講談社文庫)
岡嶋 二人   講談社   講談社  
ストーリー展開の魔術師!
冒頭は、幸運な人生を歩んできた「木村英輔」が、帰宅途中で酔っ払いに絡まれて殺人事件に巻き込まれるところから始まります。

最初は、この木村英輔が堕ちていく人生の中で、どのように真相を究明していくのかが描かれるのだな、と思いました。

ところが、酔っ払いの喧嘩による殺人事件が連続し、「菱刈長三」が率いる捜査第0課が真相究明に向け動き出します。

あれれっ、どういう展開になるんだろうと思っているうちに、捜査第0課の三人が事件の裏に迫っていきます。

捜査第0課の三人、「菱刈長三」、「向井聡美」、「相馬廉平」というユニークなキャラクターの活躍に感心しているうちに、いつの間にか読み終えてしまいました。

理屈抜きに楽しめます。

巻末に岡嶋二人の全28作の著作リストがあります、私は未だ3作しか読んでいませんので、暫くの間は岡嶋二人作品を楽しめそうです。


おかしな二人―岡嶋二人盛衰記 (講談社文庫) おかしな二人―岡嶋二人盛衰記 (講談社文庫)
井上 夢人   講談社   講談社  
胸躍り、やがて悲しき二人のお話
プロのミステリー作家になるのがいかに大変かがわかる。
アイデアで一儲けできないかという徳山諄一と、結婚し子供もでき定職を持ちたいという井上夢人のコンビが、乱歩賞をとれれば金持ちになれるという誤った(?)思いこみで、賞取りに挑戦する。落選に落選を重ね、5年間にわたって挑む。その熱意と持続力はすごい。
この受賞までの、盛衰記の「盛」の部分は躍動していて、面白い。
受賞作、「焦茶色のパステル」の創作アイデアが実作になるまでも、細かく書かれており、ミステリー作家を目指すものには参考になる。
さて、プロのなってから、アイデア提出の遅い徳山に、井上は悩まされるが、競馬やボクシングなどに精通し、無から有を産む徳山のアイデアの原石があったからこそ、岡嶋二人の傑作が生み出されたのだと思う。
同時に、アイデア、トリックだけではミステリー小説はできない。ミステリーの醍醐味は、トリックそのものでなく、それを解いていく過程にある。効果的なプロットを組み立て、伏線をはり、動機を作り、いかに解決するかを考え、実際の文章にするには、ものすごい技術と根気がいる。ここは、井上の才能があったればこそだろう。
その二人の才能が、すれ違い出し、破局にいたる「衰」の部分は、本当に悲しい。
二人の、話し合いと分業がうまくいった最後の合作でもあり、岡嶋の最高傑作の一つ「99%の誘拐」を改めて読み返してみたくなった。(それと、実質的に井上が1人で書いたとう「クラインの壺」も)

徳さんも大変だったんだろうなー
日本では数少ない二人の合作による推理作家『岡嶋二人』の誕生
から消滅までを綴ったエッセイ。
作者はコンビの片割れであった井上夢人氏。

合作というシステムを、徳山氏と井上氏の二人は作品の量産化
ではなく、質的向上という面で生かしていたのだと思う。
だからこそ岡嶋作品が今もなを根強い人気を持っているのだろう。

しかし、それゆえに二人の間の葛藤は激しかったのではないか。
その辺の事情を、作者の井上氏は赤裸々に、包み隠さず語っている。
これを読むと、井上氏も大変だったんだろうけど、徳さんも大変だった
んだろうなー、と思わずにはいられない。
残念ながら、徳山氏から見た文章は掲載されていないが。

個人的には、さらっと読める井上氏の文章のうまさだけでなく、
徳山諄一という『毒』があってこその岡嶋作品だと思う。

岡嶋二人のファンにはお勧めの一冊。
ただ、作品のネタバレがあるので、この本を読むのなら他の岡嶋
作品を読んでからにした方が良いだろう。
恋愛小説のような「二人」の物語
岡嶋二人・・・「おかしな二人」をもじってできた、井上夢人と徳山諄一のコンビ名(ペンネーム)。誕生から消滅まで、13年間の岡嶋二人物語。ノンフィクション的エッセイ。

文学青年でもなんでもない二人が、ただ一攫千金を夢見て、江戸川乱歩賞を狙う。
ずぶの素人が、全くのゼロから「読める小説」「おもしろい小説」をモノにしていくまでの過程は、小説作法としても読め、すごく興味深い。

また、二人が互いを補完しあい、刺激しあい、助けあうさまは、作品だけでなく二人の絆のようなものも、同時に作り上げていくように思えて、愛らしく微笑ましい。読みながらにこにこしてしまう。

だからよけいに、消滅にいたる「衰」の部は、悲しくやるせない。解説に大沢在昌氏も書いてあるが、本当に恋愛小説のようだと思った。

二人の人間が出会い、結びつき、別れる。そこに恋愛感情はなくても、深いところで関わり合いつながった関係は、恋愛に似た(もしかしたらそれ以上の)強い感情を生むものになるんだろう。

ラストの別れのシーンは、ちょっと放心してしまうくらい、せつない感動があった。
悲しい物語
岡島二人はエラリークイーンのように、二人で一人の作家であった。つまり合作ですね。そのコンビは解消されたのだが、その一人のうちの一人の作家。「おかしな二人」のアナグラムというか、パロディというかで「岡島二人」になった。彼らの小説を含め、井上氏の小説は、頭をシャッフルさせられるものが多く、気分転換に良い。これは、それのエッセイなのでいろいろな裏話。喧嘩アリ、恋慕ありと、なかなか読ませる。破局へ向かうことがわかっているレールってのは、すごく物悲しいゆえに、ひきつけられる。平家物語のように。
エッセイ風岡嶋二人ヒストリー
コンビ解消から10年以上経った今でも根強い人気を誇る岡嶋二人の歴史を振り返ったエッセイ。作者はコンビの一人、井上夢人。

結成時のエピソードからコンビ解消にいたるまでの二人の心の葛藤と仕事振りが細かく描写され、ほんとにこんなこと書いていいの?と思われるシーンの続出。単なる歴史を語るタイプの本ではなく、コンビという形を通して、個人個人というものがいかにエゴを持っているかを教えてくれる一冊です。一人で生きるのも辛いですが、二人で生きるのもそれはそれで難しいといった・・・

筆者の絶妙の筆致によっていやみなく二人の間に起こった様々な葛藤が描かれていきます。それはタイトルどおりまぎれもなく“おかしな二人”でした。

岡嶋二人の小説が人気があったのはストーリーが優れているだけでなく、その文章のうまさにもあったんだなあとこの本を読んで感じました。いまだに心に深く刻まれている一冊、文句なくオススメの作品です。


あした天気にしておくれ (講談社文庫) あした天気にしておくれ (講談社文庫)
岡嶋 二人   講談社   講談社  
岡嶋作品の最高傑作!
競馬がテーマということで、競馬を知らない人に受けなかったのかな?
内容からすると、乱歩賞を受賞すべき作品だったように思います。
誘拐されるのは人間ではありません。
誘拐物は色々読んでいますが、人間以外が誘拐される作品は初めて読みました。

序章と終章の間は、日曜から始まり土曜までの一週間の一日一日が一章になっています。
緊迫感を持って物語が進んでいくのですが、この曜日による章立てが、更に読者に緊迫感を与える効果を持っていると思います。

どんでん返しが2度ほどありますが、競馬を良く知らない事もあり、私は身代金の受け渡しのトリックは最後まで見抜けませんでした。
ただ、競馬を知らないで読んでも十分に楽しむことができます。

読んだ後に冷静に考えると、この手は競馬以外でも使える事に気が付きました。

私は「焦茶色のパステル」を先に読んでしまいましたが、先に「あした天気にしておくれ」を読むほうが両方の作品をより楽しめると思います。

御得意の
御得意の誘拐?ものです。あるサラブレットの怪我を隠そうと、サラブレットが誘拐されたと計画しますが・・・
偽装誘拐は成功するのか?二転三転するストーリーに引込まれてぐいぐい読めます。


冒頭の書き方が見事
第27回 江戸川乱歩賞最終候補作。
メインのトリックが過去の作品と重複してるとケチが
つかなければ実質的な受賞作だったと思う。

冒頭の書き方が見事。
思わず一ページ目から物語に引き込まれる。
ただ、肝心のトリックについては、途中で判ってしまったが。
傑作です!
第27回江戸川乱歩賞最終候補作。
競馬+誘拐。 傑作と名高い『99%の誘拐』よりも面白かったです。
身代金受け渡し方法に途中で気付いてしまったので、
少々タルい部分もありましたが、
倒叙と謎解きを両立させる中盤以降の展開が、
実に素晴らしかったです。

記録された殺人 (講談社文庫) 記録された殺人 (講談社文庫)
岡嶋 二人   講談社   講談社  

焦茶色のパステル (講談社文庫) 焦茶色のパステル (講談社文庫)
岡嶋 二人   講談社   講談社  
乱歩賞らしい
どんでん返しの連続。競馬を知らない人でも楽しめます。
途中、競馬ニュースに勤める女性がどうしても男性に思えて仕方なかったんだけど、これはわざとなんでしょうか?

どんでん返しを安心して楽しめます。
題名が面白いですね。

パステルから想像したのはパステルカラー・・・・・淡い色彩。
ん、焦茶色とパステルってどんな取り合わせなんだろう?

馬の名前でした。
実はこの題名がしっかり意味を持っています。

競馬を題材にしたミステリーですが、私のように全く競馬を知らない人間にも分るように描かれています。

競馬評論家の「大友隆一」が殺害されます。
巻き添えのように思われたのですが、ある事実に気が付いていたことが判明します。
その事実とは何だったのでしょうか?

大友隆一の妻「香苗」とその友人「綾部芙美子」が謎に迫ります。

最後の見事などんでん返し迄の筋立てもしっかりしていて安心して楽しめる作品です。

骨太のドラマが良いですね
デビュー作? らしい。
『99%の誘拐』が、おもしろかったので、
読んでみました。

馬には詳しくないので、
そこの謎解きは、
「あぁ、そうなの」
的でした。
それと、動機がイマイチ、
わかりにくかった。
そんなことで、3人死ぬの?
とも思いましたが、
まぁ、理屈は通ってるかな。

登場人物のキャラとか、
最後のどんでん返しとか、
ドラマがしっかりしてので、
最後まで楽しめました。

“馬”モノは、まだあるらしいけど、
それ以外のものを、読んでみようかな。
馬が憐れ・・・
馬はただ純粋に走るだけだ。ひたすらゴールをめざして。人間は
その純粋に走る馬さえも、自分の利益のために利用しようとする。
大友の死の真相が明らかになるにつれ、競馬界の驚くべき事実も
見えてくる。隠そうとしたことは、人を二人も殺してまで守るべき
ことなのか?動機が明らかになったときにはむなしさを感じた。
人間の利害関係に巻き込まれたパステルも憐れだ。本来のミステリーの
面白さに加え、競走馬の血統についての描写も興味深く、面白かった。
手堅くまとめられた作品
読みやすい文章と巧みな構成の作品。
伏線の張り方や最後のどんでん返しなど手堅くまとまっている。
探偵役の女性二人のキャラもうまく立っていてる。

ただ、この作品の鍵となっているサラブレッドの系統については、
競馬に興味のない人には、作者の説明に「そういうものか」と納得
するしかない。
判りやすさという点では、前年の乱歩賞候補作「あした天気に
しておくれ」の方が判りやすかった。

ツァラトゥストラの翼 (講談社文庫) ツァラトゥストラの翼 (講談社文庫)
岡嶋 二人   講談社   講談社  
秀逸ではあるが・・・
RPGを本にしたいわゆるゲームブックは、教養文庫などでもたくさん出たが、この本はそこに推理小説を加えたところが秀逸。推理小説としては(読者が手がかりを集めていくわけで)きわめてフェアといえる。解決もロジカルだし、すっきりしてます。
ただ、そこから宝探しになって、暗号を解かないといけなくなる。これがきついですね。私は袋とじの答えを見ちゃいました。
暗号を解かないと、エンディングにはたどり着けないので、挫折感が残るという点で星ひとつ減点です。
楽しみ方としては、トライアル&エラーで数をこなすと、何度も遊べるというメリットはあります。(暗号が解けないとつらいけど)
前代未聞の小説風RPG
この作品はやり込めるか、それとも投げ出してしまうか。人によって大きな差が出そうなタイプの本です。

主人公は指定されたページの選択肢を選び、さらに選択肢で指定されたページへ飛び、さらにそこでも選択をして別のページへ飛んでいく・・・

読み方、選び方次第で読む人ごとに何通りもの違ったストーリーが展開されていくわけで、発売当時は画期的な小説でした。バッドエンディングももちろん用意されています。しかし、ページを飛ぶという行為がいちいち次のページを探さなければならないという行為に他ならないので、ゲーム版RPGと違い、これがなかなか面倒なことなのです。ストーリー自体は岡嶋二人らしい機知に富んだものなのですが、そういう面倒な側面があるので、そのストーリーにはまり込まないとこのRPG小説を途中で投げ出してしまうという危険性があります。

本という体裁でRPGをやるという事の難しさを教えてくれる一冊です。
ストーリーそのものは秀逸なので一度トライされてみてはいかがでしょう?


1   |   2   |   3   |   4   |   5   |   6   |   7      »      [9]
合計件数:83  合計ページ数:9