黒の狩人〈上〉
大沢 在昌 幻冬舎 幻冬舎
まぁまぁでした
ヤクザ、中国の諜報機関、公安警察入り乱れる思惑の中、1人の刑事・外務省職員・そして中国人通訳が、連続殺人事件の謎に迫る話。話の複雑さ、伏線が交錯しまくる点は従来の大沢氏の作品と同じ。多少のアクションもあるが、中心はやはり謎解きです。魔物・影絵の騎士よりは面白かったが、多過ぎる伏線や関係者が絡む話は、食傷気味なのも事実。もうちょっとスカッとする話も読んでみたい。上下2冊で''読みで''はあるが字は大きいです。細かい話だが、本作に出てくる「ファーストフード」は「ファストフード」が正しい。最近の本はちゃんと「ファストフード」となっている方が多い。編集者はしっかり勉強して欲しい。
ニッポン泥棒〈上〉 (文春文庫)
大沢 在昌 文藝春秋 文藝春秋
新幹線乗り越した
京都のホームでこの本を購入しました。新宿鮫とかは飽きていたけれど
そのシリーズではないし、なんせキオスクではあまり本の選択ができない。
しかし、すぐに物語の世界にはまってしまい、新横浜で下りるところを乗り越してしまいました。東京駅から遠回りで帰宅する事さえ、本と一緒だったので苦にならなかった。
そのくらい、本に没頭できた、娯楽小説
やめられない、とまらない
恥ずかしながら、大沢在昌を、「きちんと」読むのははじめてである。
氏のデビュー当時から、名前や作風は知ってはいたが、読もうという本がなく、
鮫シリーズにしても、「いまさら大沢でもあるまい」と避けて通ってきた。
「きちんと」というのは、ザ・ジョーカーに収められている短編はいくつか読んだことがあるからだ。
余談であるが、私には、そういう作家が少なからずいる。
太宰治、三島由紀夫など。
さて、本書であるが、大沢作品としては変化球であることを認めたうえでも、
面白い。
続きが気になってやめられない、とまらない状態である。
文体も読みやすく、一気読みしてしまった。
これから、下巻に向かうが、どう読ませてくれるのか楽しみである。
最後になったが、387ページに、男と女にの恋愛についての名言があるので、
お読みになる方は、それもお楽しみに。
誰が味方で誰が敵?!
話が急展開で面白いです 。シミュレーションソフトの世界を変えてしまう程の機能は、思いもよらないものでした !
果たして誰が味方で誰が敵なのかドキドキの上巻です。年配男性の主人公がすばらしい判断力とタフなネゴシエーションで、とてもカッコいいです。
黒の狩人 下 (2)
大沢 在昌 幻冬舎 幻冬舎
標的走路 レスリーへの伝言 (ジュリアーノぶんげい)
大沢 在昌 ジュリアン ジュリアン
2度目の佐久間公
「感傷の街角」以来の佐久間公シリーズでしたが、大満足の内容でした。
「標的走路」は常に死を身近に感じながらも飄々とツッパリ通す、まさにハードボイルドここにあり!といった感じでした。一方、「レスリーへの伝言」では一人の美青年を前にした佐久間公の人間らしさが垣間見えたような作品で、「標的走路」とはまた違うおもしろさがありました。
まさに一冊で2度おいしさを味わえる作品だと思います。
1冊で2度楽しめました
詳しく書くとネタバレしてしまうのですが、「標的走路」は意外にタイムリーともいえる状況で話が進むので、初期に書かれたものという感じがなく楽しむことができました。展開はもちろん、“これぞ、ハードボイルド!”って感じでした。
「レスリーへの伝言」は、絶世の美青年・レスリーに魅了され、感情移入している佐久間公が初々しかったです。時系列でいうと、こちらのほうが若い佐久間公なんですよね。
収録順に読むのもいいですが、先に「レスリーへの伝言」を読むのもいいかもしれません。
レスリーへの伝言は初めて読みました。
「標的走路」は以前文春から出たのを読みましたが、「レスリーへの伝言」は初めてでした。
失踪したジョー・カセムを捜索して山荘での殺戮に巻き込まれる「標的走路」のハードボイルドさとは雰囲気に一線を画し、「レスリーへの伝言」はしっとりとした大人のドラマという感じでした。
かなり初期の作品のようですが、混血の美しい青年レスリーに漂う哀しげな気配が、ありありと描かれていて、失踪した孤独な男を追うという面で、これはこれで良質のハードボイルドといえます。
血をみるような決死のステージはありませんが、短編というには結構ボリュームもあり、読み応えがありました。
再読の「標的走路」はいわずもがな。おすすめできますね。
佐久間公が初々しい!
佐久間公シリーズが好きで、ずっと読みたいと思っていた
幻の「標的走路」の復刊ということで、すぐに買いました。
期待どおりの面白さでした。
「レスリーへの伝言」は、佐久間公の一番最初の作品で
初の単行本化ということで、大沢さんご自身が最後に
書いているとおり、今の作品と比べるとクオリティは
やはり違うと思うのですが、それはそれで新鮮で楽しめました。
大沢ファンにとってとても貴重な一冊だと思います!
砂の狩人 (上) (幻冬舎文庫)
大沢 在昌 幻冬舎 幻冬舎
北の狩人に比べると物足りなさが目立つ
作者の最高傑作のひとつ「北の狩人」と比べると本作は物足りない。設定が凝ってれば傑作だと思ってるような読解力のないレビュアが高い点数をつけているようだ。
連続殺人をとりまく、熱い人間模様
登場人物がみな、熱い。
一匹狼の主人公、エリート警察官僚、マル暴の刑事、昔かたぎのやくざ、謎の中国人。
「組長の子女連続殺人」を軸に、それぞれが自分の利益や保身を第一に、騙し合い、利用し合う。誰一人決して「善人」ではないのに、みんな一筋芯の通った、熱く真摯な人間たちだから、その駆け引きや人間模様は、ものすごく見ごたえがある。
なかでも、主人公・西野の超人的な心のつよさは、フィクションとはいえ、思わず瞠目してしまう。
この複雑なドラマが、連続殺人犯はどこに?という謎とともに、読み手を惹きつけて離さない。上下巻、あっという間に時が過ぎること間違いなし。
決してハッピーエンドとは言い難いラストだが、カタルシスさえ感じることができる。
ただ!マニラチーム殲滅の策は、あまりにも思慮浅薄に思えて、ややわだかまりが残る。ああなる結果は見えてたじゃないか〜
それと、ラスト近くになって生じるサチの・・・な疑問。これ、疑問に思うのがあまりにも遅すぎるだろう!ここから解決へ一気に転じるので、主人公が間抜けに見えてしまう。もうちょっと何とかならんかったのかな・・・
多少のケチはつくけれど、読ませる作品であることには違いなく、おもしろさには太鼓判を押せる。
大沢節が炸裂
2002年9月に発刊された作品のノベルズ版。
前作「北の狩人」に続く「狩人シリーズ」の第二弾。
2003年版このミスで4位、
2002年文春ベスト10で6位を獲得した。
元警視一課で「狂犬」と恐れられた西野。彼は未成年容疑者を射殺した責任をとって警察を辞し、千葉の港町で暮らしていた。その彼の元を、東京・神奈川発生したで暴力団組長の子供をねらった連続殺人事件の捜査を依頼するため、警視庁の女キャリア・時岡が訪れる。現在事件被害者の関連性は漏れていないが、情報漏れによる暴力団同士の抗争あるいは外国人犯罪組織との戦争を危惧し、現役時代一匹狼として活躍した彼に白羽の矢を立てたのだ。
猟奇的な事件、暴力団と中国人マフィアとの戦争、そして事件自体の謎解きと、大沢節が炸裂し、1200枚という長さを感じさせない、贅沢かつ一級のハードボイルド作品に仕上がっている。大沢ファンのみならず、お薦めできる一冊である。
魔女の笑窪 (カッパ・ノベルス)
大沢在昌 光文社 光文社
裏社会へのあこがれ
表社会の人間は、裏社会にあこがれるのだろう。俺もそうだがw
裏社会へのあこがれを満足させてくれる小説です。
エンディングが中途半端なような気がしたが、続編があったのですね。今度読んでみます。
狼花 新宿鮫9 (カッパ・ノベルス)
大沢在昌 光文社 光文社
新作ではありません
久々の新宿鮫の新作・・・と喜んで購入したのだが、2/5ほど読み進むうちに新作でないことに気がついた。
これは、数年前にハードカバーで発売したものの新書版である。
それにしても、しばらく読まないと既読であることに気付かないとは!!
それくらい、近年の新宿鮫シリーズは似た様な作風になってしまっている。
要するに、麻薬、暴力団、外国人犯罪者、この3者のオンパレードである。
2作目毒猿や3作目屍蘭のような魅力的な適役、個性的な悪役は登場しないものか・・・
上記2作品が良かったのでこのシリーズを読み続けているが、もう見放すつもりになった。
北の狩人〈上〉 (幻冬舎文庫)
大沢 在昌 幻冬舎 幻冬舎
最高傑作とすらいえる素晴らしい作品
設定が凝ってれば傑作だと思ってるような読解力のないレビュアが低い点数をつけているようですが気にせずに。この作品は癖のない素晴らしいアクション大作です。作者の作品は多数刊行されていますがこれはその中でもトップクラスの傑作です。とっつきにくいシリーズものを犬猿されている方もこの作品はオススメです。
カッペのマッポが都会で大暴れ
きゃっこいい!この一言です!! 主役のかっぺよりも、脇の連中が良かったです。新宿著4課の佐江と、人情味豊かなやーさん幹部の宮元。特に宮元は泣ける・・。こういったやーさんが実際いるなら僕も盃かわしたいっす!!あと、キャッチバーのバイトしてたヤンキー娘も、最初はぐれてましたがかっぺに祝されて、どんどんピュアになっていくのまずまずっしょかね!さすがにさいごのかっぺと山で・・・という締めに関しましては、なんだか処女漫画みたいでアホかと思いましたけどね。恐るべし秋田県警!
「あの国」の話じゃなかったんですね。
北の国と言うと、どうしても「あの国」を想像してしまいます。
最初は北朝鮮の秘密工作員が新宿に潜入して何かしようと
しているのかと思ってました。
ところが、北の秘密工作員じゃなかったんですね。
強い者が弱い者を喰い、それをさらに強い者が喰う。
やや類型的ではあるが、新宿という街の、弱肉強食、食物連鎖の
非情な世界が物語の基底に流れています。
そこにやって来た謎の男が12年前に潰れた暴力団の事を聞きまわる。
その結果明らかになる過去の事件の真相とは?
主人公も田舎者の良いキャラを出しています。
同じ新宿を舞台にした、キャリア崩れの、名前負けしてるような
軟弱男の物語よりは面白かったです。
設定上の難点、曇りのない眼の大切さ
意外な出だしに始まって、最後までスピード感のある展開でした。平易な語り口なので快速感が強かったのだろうと思います。
他の方が指摘されている難点のうち、物語が進行していくにしたがって主人公の存在感が弱まってしまう点と老富豪の助力の唐突さは、同じ設定上の難点から生じたものだろうと思いました。『新宿鮫』シリーズとは対極的に、田舎者という異邦人の目を通して、大都会・新宿の別面を描き出すこと、それが著者の狙いだったのでしょう。しかし、部外者が、事件の真相に真相に肉薄し、渦中の関連者たちの裏をかくことは難しいことです。それが、強力な助っ人を登場せざるを得ず、主人公が後景に退いてしまった理由ではないでしょうか。
主人公が郷里の「山」と大都会を比べて吐露する感想も、ステレオタイプな部分が多かったように感じました。「狩り場」という観念が、辛うじて新鮮さを提供していましたが。
難点を連ねましたが、同じ北国出身ということで、主人公にはかなりの共感を覚えました。大切なのは、曇りのない眼と、謙虚さを失わない心の強さなんだ、そんな風に思わせてくれる一冊です。
歌舞伎町を舞台にした・・そしてあの刑事も・・!?
12年前、東京出張中に殺された刑事だった父親の死の謎を探るため秋田から上京してきた青年「梶雪人」。腕はたつが寡黙で実直な青年を、新宿歌舞伎町は、誘惑・脅し・暴力で迎える。引っかけパーの女子高生、ヤクザ、中国マフィア、暴力団担当刑事、偽札偽造、麻薬・・・折から発生した広域暴力団の跡目争いに、封印されていたはずの事件が浮びあがっていく。
穢れのないクリアな存在としての「梶雪人」のキャラクターは新鮮(変な例えをすれば、「ドラゴンボール」の冒頭部分での悟空の存在に似ているかも・・)。ところが後半になると、梶そのものよりも、暴力団担当の新宿署刑事、昔気質のヤクザといった脇役が主人公を食い始める。また、梶自体の人物造形や、梶の活動を助ける老富豪や地下銀行を経営する在日中国人の存在など現実感が薄く、興をそぐ面がないではなかった。
過去に何があったのか、という謎で引張り、スピード感のある展開は飽かせないが、作品としては脇役に食われた分、主人公の活躍が中途半端に感じられ、欲求不満が残る。
さて大沢在昌が描く新宿といえば言わずと知れた有名刑事がいるが、本作にも次のように登場する・・。「・・・いまの防犯は、キャリア崩れのわけのわからない野郎がでかいツラをしている。ホネはあるらしいが、協調性のない、嫌な野郎だという話だ。」
追跡者の血統 (角川文庫)
大沢 在昌 角川書店 角川書店
佐久間公シリーズ青春編の終わり
突然、いなくなった親友、沢辺をひたすら探し出していくというシンプルなストーリーですが、絶対に探し出すという公の強い意志が伝わってきて、ラストシーンでは感動してしまいました。
突如失踪した親友・沢崎の行方を捜す佐久間公
作者の代表的なシリーズである、佐久間公シリーズの4作目。
突如失踪した親友・沢崎の行方を捜す佐久間公。
前夜まで公と遊び歩いており、失踪当日も最愛の妹との約束があった沢崎に、失踪をする理由はない。公は調査を通じ、偶然にも学生時代に事故死した父親に関する真相を知ることとなり、またも国際的な謀略へと巻き込まれていく。
「雪蛍」から佐久間公シリーズを読み始めた私にとって、20代前半の彼の言動は若干青臭く感じてしまう。しかしながら、後の作者の作品に通じる「幹」が、20年以上前のデビュー作からしっかり確立されているのは、さすがと言うほかない。本作品を書いたとき、作者は佐久間と同年代であり、まさに佐久間公と共に作者が年を重ねているという感じである。
他の佐久間公シリーズは短編が「感傷の街角」「漂泊の街角」、長編が「標的走路」「追跡者の血統」「雪蛍」「心では重すぎる」
余談ではあるが、本作品中で出会った相手と、後に佐久間は結婚する。
佐久間公シリーズ最高傑作!!
佐久間公の若かりし頃最後のお話です。です。それまで頼りになる男として公を助けてきた沢辺が失踪してしまいます。
今までの話に出てきたキャラクターも数多く登場し、内容も合わせて最後の話にふさわしくなっています。
一人称を「僕」としたことやセンチメンタルな文体からも象徴される公の若さ、そして誰もが言う強さ。この二つが重なって佐久間公という探偵は非常に魅力的です。そしてこの本こそがその佐久間公シリーズの最高作だと思います。是非ご一読を。
亡命者―ザ・ジョーカー (講談社文庫)
大沢 在昌 講談社 講談社
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