落語無学 (ちくま文庫)
江國 滋 筑摩書房 筑摩書房
旅ゆけば俳句
江國 滋 日本交通公社出版事業局 日本交通公社出版事業局
江國滋俳句館
江國 滋 朝日新聞社 朝日新聞社
落語美学 (ちくま文庫)
江國 滋 筑摩書房 筑摩書房
落語を通して説く平易で楽しい哲学書
弱冠27歳にて著した処女作『落語手帖』の四年後に発行された本書は、「落語への招待」「落語哲学」「裸の江戸っ子」「芸の人びと」「落語断片」「落語・連想」そして「「新作 人情噺」の七篇で成り立っている。1965(昭和40)年東京書房発行の底本から変わっていないようなので、当時としても、そして今でも実にバラエティに富んだ構成だ。逆に、ともすれば個々の作品の寄せ集めとして脈絡を欠く一冊となりそうだが、一本筋が通っている。それは、落語や落語家を通して哲学(著者の言う“美学”)を語っているということ。彦六の正蔵が出演料を多すぎるといって返した逸話、イブ・モンタン、マリリン・モンロー、文楽そして志ん生に共通する「芸人根性」についての一節、『宿屋の仇討』から描き出す江戸っ子気質、など、週刊誌記者として培ったジャーナリスティックな視点から落語を鏡として人生や生き方をいきいきと描いている。当時30歳前後という年令を考えると脱帽。
落語手帖 (ちくま文庫)
江國 滋 筑摩書房 筑摩書房
処女作にして最高作
江國さん27歳の処女作にしてかつ最高作だと私は思っている。普通社による初版発行の昭和36(1961)年は、正月に三木助(三代目)が没し、年末に志ん生が倒れた年である。『志ん生二題』から少し長くなるが引用する。「〜三木助が死んでしばらくしたある日、田端の三木助宅にふらりと志ん生が現われて「お、これ借りていくよ」といって故人愛用の煙草入れを持って帰った。三木助は、生前、煙草入れに凝って数多くあつめていたが、その中でも出色のものだった。翌日、テレビの画面に志ん生の笑顔がうつった。〜志ん生のしんみりした声が流れる。『これがネ、せんだって死んだ三木助の愛用してえた煙草入れで・・・・・・』恐らく、三木助に最後のテレビ出演をさせたかったのだろう。〜」江國さんならではの一文である。冒頭の「『火事息子』における親子像」という卓越した落語評から始まり、「落語博物誌」や「落語歳時記」などを交え、当時の名人達の高座描写のみならず最後の幇間と言われた新橋喜兵衛の死なども含め、同時代で体験した当時の落語世界を縦横に描写した本書の価値は大きい。当時志ん朝は評価されていたとはいえ二つ目。ダイナミックに胎動する落語の世界を若く才能ある文章の達人が新鮮な感性で描いた好著である。
やや遅れてきた人間として。
江國滋さんが、寄席やホール落語に通っていた(と思われる)時期は、私の10年くらい前なのでしょうか?多分、昭和の名人が、かろうじてまだ元気で、古今亭志ん生、桂文楽、桂三木助、三遊亭円生らが活躍していた時期なのかもしれません。でも、失礼ながら、三遊亭円生を別にすれば、すでに晩年の人ばかりでしょう。
そういう人たちを基準に落語を論じなければならないとしたら、「円朝」を知らない人は話も出来なくなります。
その後に出てきた、談志、円楽、志ん朝そして、小三治を加えなければ、「現代」を語っているとはいえないし、その後の若手にも目を向けなければ、単に「昔は良かった」で終わってしまうと思います。
この本は、その「昔は良かった」という本だと思います。
残念ながら。
昔の話
昔の話は、本を読んでみることと
人から話を聞くことしか、知ることはできない。
(ほかにあったらごめんなさい)
で、落語の話は、昔の話が多くてしかも、
現代行われている落語を楽しく聴こうと思ったら、
昔の話を少しでもシットカないトナーと思う。
そのための本です。
落語は、即興音楽といっしょでいつも
変化が伴います。が、しかし、どこかに必ず
普遍的な部分があります。
東京の落語のそのことを知るためにはぴったり。
ひとつ足らないのは、写真。
昔の落語家の写真があれば、もっと、具体的に
イメージが膨らんだ。
俳句とあそぶ法
江國 滋 朝日新聞社出版局 朝日新聞社出版局
落語への招待 (朝日選書 120)
江國 滋 朝日新聞社出版局 朝日新聞社出版局
手紙読本 (ランダムハウス講談社文庫)
江國滋(選) ランダムハウス講談社 ランダムハウス講談社 日本ペンクラブ
絵本・落語風土記 (河出文庫)
江國 滋 河出書房新社 河出書房新社
落語でたどる昭和40年代初期の東京
底本である青蛙選書での発行が昭和45(1970)年なので、著者が江戸落語の舞台を訪ね文章と本人のスケッチで描いた時期は昭和40年代初期ということになる。すでに東京オリンピックのための開発(破壊?)も含め、古き良き江戸・明治の噺の世界は大きく変貌しており、その憂いや懐古の情を含め「今」を描いた優れた随筆となっている。しかし、その時からもすでに40年近く経過しており、本書で紹介されている東京の姿も大きく変貌している。落語、寄席、江戸や明治の文化や人情あふれる町人世界などを愛する人にとっては、より深く落語の世界を楽しむ助けとなるし、何より達者な文章とスケッチで読者を飽きさせない。この出版社での落語関連本の佳作復刊がまた一つ増えた。
古典落語大系 第8巻 (8)
三一書房 三一書房 江國 滋
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