夕闇の川のざくろ (ポプラ文庫)
江國 香織 ポプラ社 ポプラ社
左岸
江國香織 集英社 集英社
2冊あわせて初めて
江國の描く「右岸」のコラボ作品。50年に及ぶ時を、少女から母へと人生を重ねていく一人の女性の視点から描かれている。「右岸」と交錯していく時間と、けして交わらない時間は「両岸」を挟む「河」と呼ぶべき、それぞれの生きる時間の隔たりを感じさせる。辻の描いた作品に比べ読みやすく、感情移入もしやすかったものの、生と死、激動する周囲の環境には窮屈な世界観を覚えた。物語の完走はそれぞれ一冊では洗わせられない。2冊あわせた1000ページを読み終えて初めて充実した気分にさせられる。
河の流れのように
大作です。幼少から、中年期になるまでのひとりの女性(茉梨)の生き様。そのなかで、変わってゆくもの(変わらざるを得ないもの)・全く変わらないもの。
茉梨の日常、様々なものや場所、男性との出会いと別れのなかで、それが溢れ出している。
人生という大河の流れに乗って思うさま、自由に生きる茉梨は、とうとう最後まで誰にも、どこにもとどまることはなかった。 そんな孤独も、この物語は鮮やかに描き出している。それが特に良かったと思う。
こんなに分厚い長編にもかかわらず、軽やかでみずみずしい、ちょっと切なくて、とても爽やかな読後感の物語。 まるでマスカットのようなお話です。
赤い長靴 (文春文庫)
江國 香織 文藝春秋 文藝春秋
きっとこうなるのだろうなあ、と思った。
妻と夫。
2つの生き物の間にある深い河と、互いに特別になった相手への安心感をたくみに表現した短編集。
夫はまだいませんが、
おそらく、こういう気持ちになるのだろうなと思う。
分かり合えていて、分かり合えていなくて、
いてほしいけど、いてほしくない。
普通の夫婦ってこんな感じなのかも(間に子供がいると違うかもしれない)。
我が家と照らし合わせ
14の短編の連作でそれぞれちょっと空いた時間に読むにはちょうどいい長さ。
なのですが、、つぎつぎ読み進めてしまいたくなる本です。
この作品の背景と同じような「年代」、「子供いない」、「共働き」の私には主人公夫婦に対して他人とは思えない感情移入がしたのでしょう。
(いつも生返事の「夫」は私に近いものがあるかも)
妻の日常の心情や、妻から夫への不満、夫への愛情の疑問がメインで書かれていており、短編のいくつかは夫が主人公となる話もとりまぜてある。
最終の2話は同じ一日の出来事をお互いがそれぞれ主人公となる話でしめくくられており、夫婦ってこんな感じでお互いを思いあって毎日暮らしているものなんだろうねと改めて考えさせられた。
「うまくいっている夫婦って案外こんなもんかもよ」と、
ちょっと我が家の妻にも読ませてみようかな?
ある意味「結婚生活」とはこういうことかも
答えの出ない、答えをあえて出さないことが
「美徳」のような部分に触れた1冊。
だからこそ、既婚者にはピタッとくるはず。
そのテーマに触れておきながら、主人公とと
もに悩ませておきながら、答えは出さない…
いや、答えは出せないのかもしれないし、
答えを出す必要のないことなのかもしれない。
他人事であれば、そんなバカげたことをと、
思うかもしれない。でも、知らぬ間に答えに
触れられなくなった夫婦はごまんといるだろう。
だからこそ、この物語の先に、もう少し年を
重ねた主人公の夫婦がいて、現実的には女性が
何かにふっと気がつくのが普通で…「熟年離婚」
へ結びついていくのだと思う。
そんな回答のない、はがゆい物語…江國さんの
世界である。
江國ワールド
筆者の実年齢と共に、女主人公の年齢が上がっていく傾向をまた見せられた。女主人公は筆者自身や筆者の周りの女性たちの投影なのか?
女主人公は40代初めかと思われる結婚10年目の専業主婦。子どもはいない。週に数度のパート。ある意味、「記号的」な人物。彼女が夫に対して感じる、「漠然とした不満」「漠然とした安心感」を日常的な出来事を通して描き出していく。
同年代の主婦なら、そしてそんな女性を身近に感じる人なら、「あるある」と言いたくなるだろう。ぼやっとした雰囲気の中の奇妙なリアリティが魅力の作品である。
思いわずらうことなく愉しく生きよ (光文社文庫)
江國 香織 光文社 光文社
女はやっぱり強いもの
三姉妹のお話。
長女はキャリアウーマンながら男を愛すけれども強くて自分のものから去っていたのもは、いくら愛していたとしても2度と自分のもとへ戻そうとはしない。後悔という言葉が嫌いだから後悔はしない。
次女は主婦だか夫からDVをうけている。
どんどん、夫からのDVを黙ってうけているだけではなく自分の意思を持って感情を出していく。
三女は、恋愛にはきままで型にとらわれることなく誰とでも関係をもつ。そのことを悪いとも思わないし、彼女の感受性も豊か。
この本を読んで、姉妹や家族の大切さ。そして人は結局一人で、でもその中でどうやって強く生きていくか。
何度も読みたいと思った本。
私には複雑すぎ・・・
江國さんの作品は大好きで、出たらすぐに買うんですけれども、
『薔薇の木 枇杷の木 檸檬の木』は最後まで読めたがよく理解できず・・・。
そして、今回この本でまた・・・。
主人公らしき人が一気に3人くらい出てくるのって苦手みたいです、私。
誰が誰だかわからなくなっちゃう。
そんな人にはお勧めできません。
って私だけ??
どのタイプも分かるような
こういうものを読むと不安定になる。
達観できない位置にいることを思い知る。
こわいくらいにリアル
江國さんの本の中ではいちばん感動しました。
軽い気持ちで読み始めたら、ちょっと驚くくらいにリアルでした。小説にもかかわらずリアルというより、小説だからこそリアルという感じです。
夫婦間の家庭内暴力のモチーフが出てきます。この問題については、ノンフィクションで読んでも全くピンと来なかったのに、この小説を読んで初めて「こういう事だったのか」と納得が行きました。フィクションというのは不思議だと思います。
男性にも、普段小説を読まない人にも勧めたい一冊です。時間の無駄にはならないと思います。
見直しました
以前短編を読んだとき、そのあまりのぬるさに閉口し挫折した事がある。
なのでしばし遠のいていたが、題名の面白さにつられ、再度チャレンジ
登場人物の年齢設定の割に、つたない会話で、幼稚にも思えるが
意外にページを繰る手は止まらない。
特に長女麻子の夫婦の異常さが際だち、傲慢な次女治子に、ちょっと変わった三女育子
また続編でもできたら、どうなったか覗いてみたい気がする
新潮ムック 江國香織ヴァラエティ (Shincho mook)
江國 香織 新潮社 新潮社
あれから何年たったのでしょう?
『きらきらひかる』の続きがある、と知人に聞いて購入した本。(雑誌っぽい?)
最初に読んだときは、少しがっかりしちゃったところがあったのだけれど、『きらきらひかる』を読んだのはまだ学生の頃だったわけで、自分の中で出来あがっていた世界があって、ビックリしてしまったんだと思う。落ち着いて繰り返し『10年後の~』を読むと、著者が生きていて続きを書いてくれたことに感謝なのかも、と思うようになった。
江國さんのご本は絵本を含めて、殆どの作品を読んでいる私にはたまらない1冊。今までの、江國さん情報がまとまったご本、と言えるかも。唯一残念だったのは、掲載されている文章はとても興味深いし、好きなものたちや旅行の写真も素敵なのだけど、江國さんの写真集のような気がしないでもない、というところでしょうか?
江国さんを創った、あらゆるもの
江国さんの小説に出てくる主人公達は自分だけの楽しみをいっぱい持っています。
散歩やお風呂・ティータイムをたっぷりとったり・・・
読んでいるだけでいいにおいがしそうな料理も登場します。
そんな江国さん作品を読んだときはいつも主人公に激しく感情移入してしまうのですが、
「物語の面白さって細部のリアリティだと思う」という言葉からもとれるように、江国さんが描く、あまり小説とは関係のない、日常生活のこまごました部分が、沢山出てくるからなのでしょうか。
いつも混沌として、感覚的な自分の気持ちを、江国さんの作品はやさしく解きほぐすように語り掛けてくれます。そんな江国さんを創った、あらゆるものが紹介された、宝箱のような本だと思いました。
オシャレで凛としたイメージの江国さんでしたが、
「おちこんだ時にどう気分転換しますか」
という読者の問いに、
「おもいつめます」と答えたり、
「もし生まれ変わるなら男色家になりたい」と言ったり、
どこかおちゃめな人間臭さを感じ、より身近に感じられました。
「書くときには、英語人格になってることに気付きました」
これは、ムックのなかで、英語と日本語では話すときに人格が変わりますか
という質問に答えたコメントの一部。「冷静と情熱のあいだ」映画化でのインタビューを思い出す。マーブのキャスティングに母国語は英語である人という点は譲れなかったと云っていた。理由として、順正に未練を残していたあおいがマーブとの恋愛できたのは日本語でなく英語を話すことで 別な人格として彼と向き合えたのだろうから、と。
そして、感情が言語によって支配されるといってもいいようなところがあると思うので、
と加えていてとても興味深かった。
英語の話せる彼女らしいコメントだし、彼女の柔らかいけど、どこかきっぱりして潔い
ところは、その「英語人格」ってやつかもしれない。
このムックはそんな彼女を形成し、影響を与えてきただろう海外の小説、詩集、絵本を
紹介していて、貴重な一冊。
ただ、本の楽しさとしてなら「とっておきブック」にかなわないかも。
目にうつるもの
江国さんは世界のあらゆるものの、素敵できれいでぐっと心を惹くところを見ることができるのだと思います。できる、というより生まれつき見えるのでしょう。この本はそんな素敵な江国さんの視点が見える本だと思います。
私が心ひかれたのは、江国さんの好きなもの。
ひとつひとつ大切に選んでいる気持ちが伝わってきます。退屈がこわいからミステリーを読む、なんてとっても素敵な時間の過ごし方だと私は思います。
いつか記憶からこぼれおちるとしても (朝日文庫)
江國 香織 朝日新聞社 朝日新聞社
女子高時代
この作品から伝わってくるあの頃の女子高の空気感。女子高独特の空気がとてもよく表現されていて、お気に入りの一冊入り。
ストーリーを追いたい人には不向きかもしれないが、雰囲気や空気感を味わうにはお勧め。特に、都会の女子高に通った30〜40代の方へ。
夢のようにながい一瞬
同じ制服を着て、となりで笑いあいながらも、それぞれの帰る場所は違う。内側には誰も覗くことの出来ない一面がある。
ただ明るく楽しそうに過ごしているように見えても、本当は、ちぐはぐな靴を履いて歩くような、
ぐらぐらと揺れる平均台を目を閉じたまま歩くような気持ちを抱えている。
そんな高校生時代の感じが、壊れそうなくらいそのまま書きつけられているところがすごいと思う。
ただの甘くてゆるい話ばかりと思いきや、「櫛とサインペン」や「飴玉」がいいスパイスになっています。
まあ、話の筋を追い、ただそれを楽しむような人には向かないでしょう。
懐かしき
月並みだが、自分が女子高生だった頃を思い出す作品。
江國作品の中でも、「神様のボート」の次に好き。
大きな盛り上がりもなく、ただの女子高生たちの日常なのに
なぜにこう飽きることなく読ませられるのか……
そういえば、あの頃は子供のくせに今よりよっぽど現実的な
思考を持っていた気がする…
オススメです。
そんなころも、あった。
高校生というモノは、オトナとコドモの狭間で、いろいろなきもちが揺れ動く。
恋にしたって、ともだち関係にしたって、なににしたって。徒党を組んでコイバナにきゃっきゃっと華を咲かせるのが可愛いのもこのくらいまでかもしれない。コイバナはどの年齢にとっても大事なモノなのですが、なんていうか、イメージが。
ドキドキする恋愛。これは恋なのだろうか、って悩む恋愛。
わたしたちが『あのころ』じゃないとできなかった感覚が、この本にはつめこまれていると思います。
かおりも、色もつけがたいあのとき
その時々の場で、時々の主人公がたどり着くもう一枚の世界。
そこではもう制服も長い爪もプリクラも現実的ではない。
生ぬるいような肌寒いようなおかしな空気が流れ、彼女たちにつっかかってきては疑問ともつかない思いを残していく。
そして蓄積したそれを解消するわけでもなく、明日も制服を着て、学校に行く。
ただそれを受け止め生きていく彼女たちの姿は私たちが思っているほど、頼りなくて、悲しくて、少しびっくりした。
ついでですけど本当、タイトルのつけ方が巧いですよね。
日のあたる白い壁 (集英社文庫)
江國 香織 集英社 集英社
恋するために生まれた
江國 香織 幻冬舎 幻冬舎
「鳥籠とカナリア」の話がすごくいい!
失恋をした際に、友人に薦められて読んだ「鳥籠とカナリア」の
コピーをもらって読んだのがすごく良かった。
その出典元がこの本だったので、買って読んでみました。
辻氏の「鳥籠とカナリア」の話を読むだけでも、
この本はすごく価値があると思います。
すごくいい話です。
失恋した人、相手を拘束しすぎてしまう人には
是非、読んで欲しい。
答えはないけど、いろいろな解釈ができる話です。
僕は読んでよかった。
力量の差
「冷静と情熱〜」は同じ共著であっても本が別だったのでさほど気にならなかったのですが、今回のようなかたちだと、どうしたって辻仁成の文章の下手さやセンスのなさが目立ってしまい、江國ファンとしては正直、「いらないな辻仁成」って思ってしまいました。
逆に言ったらそれだけ江國香織が上手い!ってことなのでしょうが。
あと、全体を通して辻仁成が江國香織に主導権を委ねきってる点も、どうなんだろう?って気がしました。
江國香織、大変だなあ〜って言うか…。
今度は是非、江國香織だけで恋愛エッセイを書いて欲しいです。
タイトルの美しさを裏切りません!
愛を信じるふたりが、交換日記のように、
恋愛について語っている一冊。
タイトルに負けず劣らず、中身も愛がいっぱい。
ふたりの恋愛観がとても素敵で、
恋することの楽しさや深さを再認識できます。
辻仁成の鳥の童話も、愛の心理を物語る
せつなくキレイなストーリー。
甘いんだけど、美しいので、
恋愛小説は苦手という方でも気に入るハズ。
鳥かごとカナリアの物語は絶妙
江国香織と辻仁成が対話形式で手紙のやり取りみたいな感じで、
あるテーマについて書きあったものをまとめた本。
エッセイ調なのでぱっと読んでしまえる。
『落下する夕方』や『神様のボート』で江國香織にはまり、
その続きで『冷静と情熱のあいだ』で辻仁成に興味を持ち、
『サヨナライツカ』で辻仁成にもはまったところで、
この江国香織と辻仁成の共著である『恋するために生まれた』に出会う。
辻仁成が別れた妻である南果歩のことを、おそらく素直な気持ちからであろうが、
妙に良く言うところや、
過去に女性に裏切られた、といったくだりが妙に繰り返し書かれているところは、
何かちょっとイマイチな感じがするが、
私はこの二人の作家の文章がそれなりに好きなだけに楽しく共感しながら読めた。
この作品のメインはやはり中盤に収録されている「鳥かごとカナリア」という作品だろう。
恋愛関係にある2人の間に生じてしまう支配と被支配の関係を、
鳥かごとその鳥かごの中にいるカナリアに投影した超短篇で、
ありがちな話といえばそうかもしれないが、
色々考えてしまうので、結局しびれる。
考えさせられました。
今…僕は素敵な恋をしています。僕は結婚しているのですが…。この本を読み…共感しました。僕は常識は他の人が勝手に作ったものだと考えています。自分自身に倫があれば…の言葉に…。少し恋愛観が変わったような気がします。素敵な人生にしたいと思います。僕のたった1度の人生なんだから…。
江國 香織とっておき作品集
江國 香織 マガジンハウス マガジンハウス
読みやすい
409ラドクリフって、409号室の外人男性のことかと思っていましたが、外れでした。
読みやすくていい話しだと思います。
説教も分別くささもなく、淡々と日常を綴るのは絵國さんの真骨頂ですね。
とっても素敵な作品集。
これは江国香織さんファンの方なら、持っていて損はない本だと思います。
ときどき、開いては読み返したい。。。そんな作品集であります。
原点のような1冊
ラドクリフ409
まさに江國香織の新鮮なみずみずしさを感じることの出来るないようだと思います。
常に自分の感覚に正直で研ぎ澄ましていくようなそういう印象を
惜しみなく表現してくれています。
一読の価値ありです。
♪
江國さんファンとしてはとても楽しめる興味深い1冊でした
けれど ファンじゃなくとも読み物としておもしろい1冊だと思います
新たな発見ができこれからの自分についても考えさせられました
とろとろ
「香織の記録」と「とろとろ」を読んで思わず泣いてしまいました。
前者は(言葉にするとナンですが)父の深い愛情に、後者は主人公の気持ちはわかるようなわからないような・・・と思いながらも、危うげな、でも純粋な幸福(二人が手をつないで寝る場面とか)にぐっときて。「夢日記」もほほえましい。エクニファンはもちろんのこと、いろんな人に読んでもらいたい一冊です。
ただならぬ午睡 (光文社文庫)
光文社 光文社 日本ペンクラブ
ヌラヌラと煌く物語
恋愛についてのアンソロジー本。それはどれも初恋の初々しさではなくて、エロティックで粘質系のトロトロとした恋愛が描かれている。最初に二篇収録されている吉行淳之介の「謎」と、河野多恵子の「朱検」淫靡な世界は独特だ。『ただならぬ午睡』はこの二篇でアンソロジー本としての、奥に煌くヌラヌラとした恋愛短篇小説の羅針盤として君臨する。
また短篇ということで、味は言葉から濡れて出るものを吸収する。
すべては江國香織が選出したアンソロジー本として成功している。
本のタイトルそのままの世界!
この本には、江國さんご自身の作品を含めた8篇の短篇が収録されています。
すべて男と女の話ですが、ただの恋愛小説ではないところがミソです(笑)。
個人的には江國さんの『十日間の死』と村上龍さんの『シャトー・マルゴー』が好きですが、どれもこれも独特な世界観を放つ粒ぞろいです!
小説の好き嫌いは人によって様々だと思いますが、江國さんによってセレクトされた物語は、どれも不思議な魅力を持ったものばかりです。
読んでいる最中はもちろん、読み終わった後も何だか別世界にいるような感覚がしました。
『ただならぬ午睡』という何とも魅惑的なタイトルがつけられていますが、まさに言い得て妙といった感じです!!
江國さんのセンスの良さが表れていると思います。
本当にただならぬ本
この本の魅力は若い頃ではわからなかったと思う。
濃密な人間関係に飲み込まれてしまった。
心の中を深く掘り下げる能力がある人が作家になれるのだと思った。
編者の江国香織さんの感性がよくわかる。たくさんの本を読破してこその選び抜かれた八編だろう。
どの作品も本当に「くらくら」して現実世界に戻れなくってしまうようだ。
読む時は覚悟して読みましょう。
ただならぬ恋愛小説
恋愛小説という言葉に騙されてはいけません。どれもこれも一筋縄では読めません。何だか、上質なホラー小説を読んでいるようなひんやりとした冷たさに襲われました。登場する男性よりも、女性の方が怖い。
書かれた年代も様々なのに、古さは全く感じられません。全体が午睡から覚めた白昼夢のような、妖しい気だるさが漂っています。覚悟して読むことをお勧めします。
う~ん、いい味。
う~ん、なんていい味なんだろう。
これも、読み進めたくなくなるくらい美的
エッセンスの詰まった作品群。
江国さんのセンスの良さは、知っているが
この人のセンスは、最上級のチョコレート
(例えば、ゴディバの様な)だ。
読みたい様な、読むのが惜しい様な。
唯川恵さん選の本と合わせて、絶対、持っ
ていて損はない一冊。
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