日本の本当の順位―世界レベルで見た我が国の姿 (アスキー新書 030)
浅井 信雄 アスキー アスキー
国際政治学者が解説する世界ランキングデータです。
以前、浅井先生の講演会を聞きに行ったことがあり、その後の懇親会で接し、考え方にブレがなく一本スジが通っている生真面目な人柄を感じとりました。
本書は、そんな国際政治学の専門家が分析した世界ランキングデータに基づき、分かり易く講評したものです。
たまには日本という国をグローバルな見地から客観的に見てみるのもいいかもしれません。
データというものは、うわべだけで解釈し一喜一憂するのではなく、しっかりとした目で見据えることが大切です。
本書は、こういうデータが出てきた理由はこういった経験則によるものだという事例解説に留めるだけでなく、日本の姿や気づいていなかった結果を知らせると共に、「課題のあるところは真摯に受け止めなさい」、「心配なところはそんなに気にしなくても大丈夫ですよ」と言っている感じです。
「がんばれ!ニッポン!」と応援している本です。
ランキングという「さわり」から興味を引くきっかけになれば
世界の人口などはよく耳にしますが、意外に知られていない内容をランキング形式にすると、ランキングが大好きな日本人にとってはピンときました。
「ブログの投稿数」「セックスの頻度」「スパム発信数」「自殺数」などその理由を4ページ程度にわたって書かれていて、その背景に考えさせられるものや世界の中から見た日本はまだまだだなと思わされたりもしました。ただ、そのランキングの背景のさわりをつかむことはできますが、出典が書かれているので、それを元にその背景は自分で調べることによりより関心が湧くのではと思いました。例えば、「ブログの投稿数」に関して、政治的な要因や日本人の性格が順位の理由に挙げられていましたが、それ以外にもパソコン台数や著名人が活用し始めた、マスコミの報道、ブログビジネスなど様々な要因が考えられるものです。
「その基準はどうなのか?」「その説明では不十分」という内容もあったので、ランキングだけを見て鵜呑みにするのではなく、ランキングに隠れた正当性などを疑うこともしなければなりません。
数字の見方を磨くための本
一つのランキングデータとそのデータに対するコメントが4ページ程にわたって書いてあります。全部で42のランキングデータが載っています。失業率などのような数値で客観的にランキングづけ出来るものもあれば、「自国民としての誇り」といったランキングづけが難しいものまでランキングされているのが特徴の一つです。
ランキングで第何位ということに一喜一憂するのではなく、そのランキングの出所やその調査対象はどうなのか等を冷静に見よというのが、著者の狙いなのかもしれません。そういう意味では、色々なデータが掲載されていて数字を見る目を鍛えられます。また、単純に読み物として読むだけでも「へぇ〜」と思えるようなランキングも載っているので、世界と比較した日本を知るのに面白いです。
ただ、一冊の新書として、また、筆者の国際政治学者という立場から考えれば、もう少し鋭い筆者なりのコメントがあればよい気がしたので、星4つとしました。
類書に比べ質が高い
著者は元記者で政治学者、プロならではのデータリテラシーは流石。
新潮文庫の地図シリーズ『アメリカ50州を読む地図』ではお世話になった。
良かった点
◎棒グラフ表示で、ランク内訳が明示
軍事費はアメリカが、圧勝の金メダル。
ブログ発信数は、僅差で英語が銀メダル。
国土面積はアメリカが、健闘の銅メタル。
視覚的に非常にわかり易く、一目でわかる。
突出してるのか?序列が激しく競った結果なのか?
◎ランクの裏を読むプロの分析
05年時点では日本とインドの人口密度は同じだが、「地勢」に注意の指摘。
…つまり日本は山林が多い。日本国土の森林割合60%超。宅地キャパ違う。
セックス最下位はネタとして面白いが、文化的観点から信憑性を疑問視。
…例えばアジア各国は、やはり西欧に比べ性教育も遅れてますね。
いわゆるアジア特有のタブーか。極小ビキニをブラジルビキニと呼ぶし。
レコード売上では、チャイナ順位と海賊版の存在の指摘。
…アジアで著作権や国際法の観念が普及していない地域は?
他にも、離婚率や国の借金では、日本の過去からの推移を示してくれた。
イマイチな点
▲索引きが不便
ページ数が見開きの内側に印刷されている。
パラパラ浅くページを開いても、ページ数が奥に隠れている。
…せっかくの明快な目次が、おかげで活かされていない。
全編ランク42テーマで頻繁に出た国は、米・独・英・仏と日・中です。
やはりBRICsでは、チャイナの存在感が断トツ。
PS●近所の書店では置いてなかったので、アマゾン通販で買った。
マイナー出版社なので書棚シェアが低いんだね。
数値がもたらす本当の意味をもっと伝えて欲しいのがある
なるほど、この本に示される数値(順位等)を見れば、日本が世界のどの辺りに位置しているのかが分かりますね。
日本人は元来心配性なのでしょうか、最初に示される自国民としての誇りが(他の国々に比べて)あんなに低いとは驚きです。誇りの持てない国民には全体的に不安を感じてしまいますね。
日本の社会は戦後急速に欧米化して発展してきましたが、こと語学に関して英語力の低さには甚だ驚きと言おうか情けなく感じてしまいます。
研究開発費(対GNP比)があんなに高いのに、それに見合った科学技術基礎概念の理解度やIT技術力が乏しいのにも残念でなりません。
中にはこんなことまでよく調べたもんだと笑わせるような項目もあって興味深く読むことが出来ましたが、そんな中で数値が示す意味がよく理解できないのもあります。
「○○度数」とか「○○指数」といった数値のことですが、元々の計算式が示されていないので概念でしか捉えることができず、本当の意味がよく分からないのがあります。
また、乗用車の保有台数にしてみても、日本の台数が多いのは分かりますが、人口当たりではどうなのか、と言った簡単な疑問に答えられる内容にはなっていません。
著者はこの辺の数値の曖昧さや本当の数値の意味することを調べて伝えて欲しかったと、最後に思いました。
米中が鍵を握る東アジア情勢 (青春新書INTELLIGENCE 180) (青春新書インテリジェンス)
浅井 信雄 青春出版社 青春出版社
個人法と団体法―西村信雄先生傘寿・浅井清信先生喜寿記念論文集 (1983年)
西村 信雄 法律文化社 法律文化社
世界のニュースがだんぜん面白くなる本―国際政治学者浅井信雄と読む
浅井 信雄 海竜社 海竜社
イスラム報道
エドワード・W. サイード みすず書房 みすず書房 Edward W. Said
イスラーム報道に関して
イスラームに対するアメリカの報道の誤りを鋭く指摘する一冊。
悪意を持っているとしか思えない報道の偏りを厳しく批判するが、テロリストの行動を正当化する論には決して与しない。
イスラームを理解するためには、まずこの本を読んでから個々のニュースに挑戦するべきである。
ただ、非難の語調が強く、私はやや食傷気味になってしまった
言説はいかにつくられるか
他のレビュアーのかたも書かれているように、サイードの訳書はまず原題を見る必要がある。本書は"Covering Isram"。報道が却ってイスラムの真実(って何だろう?)を隠蔽する結果になっている、ということである。
著者の代表作の一つ「オリエンタリズム」にはマス・メディアの話題は登場しない。なぜならば扱っている対象が現代に至るオリエント研究における言説の歴史的研究だからである。本書が扱っているのは逆にイスラエル建国以降におけるアラブ対イスラエル・西洋キリスト教圏の対立における言説である。つまり現代における「オリエンタリズム」が西側のメディアが作り上げていること、アラブ・パレスチナ側の政治的主張や戦争の実態においては公平に取り上げてもらうべき場がなかったことを示している。
現在では「アル・ジャジーラ」のようなイスラム圏のメディアも知名度と信頼性を増してきているとはいえ、二度のイラク戦争に関してもアメリカ国内での報道の不正確さ、アメリカ国民の戦争に関する認識は実情と遠くかけ離れているらしい。BBCのような比較的中立的な報道はほとんど省みられていないらしいのだ。こういった現状において、サイードの主張がどれだけの現実味を持って受け止められているのか、疑問なしとしない。それは日本においてもまったく同じことが当てはまるだろう。
「偏向的イスラム論」批判
『オリエンタリズム』『パレスチナ問題』につぐ第三弾。本書の性格を一言でいえば、欧米の、殊にアメリカにおけるイスラム報道やイスラム研究の偏向性を告発したものということができる。出版から四半世紀経っているので、用いられる資料は旧いが、その批判力は今日なお有効である、という意味で本書は「古典」である。 第1章では、欧米のイスラム観が、ジャーナリズムばかりでなくアカデミズムにおいても、政治的な枠組みの中に置かれていることが説かれる。「ニュース」とは、政府や企業に加えて、報道と学問が動員されて形成されるものなのだ。これはイスラム問題に限らず、今日の情報世界のあり方といえるだろう。 第2章は、79年当時のイラン革命を反映して、革命後のホメイニ体制下のイランに関するアメリカのメディアの性格を分析している。殊にアメリカ大使館人質事件で示された反イラン・キャンペーンの低質性、世界を親米か反米かによってしか見ることのできない単純性、都合の悪いことは隠蔽するという欺瞞性などが、事例をもとに暴かれていく。 第3章は、学問(知識)と権力との共謀関係から生産される「正統的知識」が、植民地主義時代からの遺物であり、そこに決定的に欠落しているのが、学問と権力の相互関係に関する分析であることが指摘される。そして「正統的知識」に対抗する「アンチテーゼ的知識」において、学問の政治性が問われ、そこから新たな展望が開かれることが期待される。 今日のイスラム報道には、脱欧米的な視点や批判が出てきているとはいえ、依然として欧米の巨大メディアが流す情報が、私たちのイスラム観を支配していることも確かだろう。そうである限り、本書はなおこうした傾向に警鐘を鳴らし続けている、ということができよう。
「イスラム」というステレオタイプ批判
イスラムを報道(cover)することはイスラムを隠蔽(cover)することだという強烈な洒落を原題(Covering Islam)に持つ名著。米メディアのイスラムのステレオタイプ化に批判を加えている。
話は変わるが、サイードはイラク戦争前のカイロ大学で講演をした。確かNHK-BSで放送されたはずだ。こんな人がいたのかと思った。カッコよすぎて涙が出た。Here is the battlefield! and Knowlegde is our weapon!と締めくくられたこの講演の直後、皮肉にもアメリカはイラクを爆撃した。
サイードは何を思っただろうか?おそらく、悔しくて引き裂かれる思いだったに違いない。その後サイードは精力的に活動していたが、流星が落ちる時に閃光を放つようにして逝ってしまった。
しかし、我々はそれぞれの場所で闘い続ける。サイードが遺してくれた著書はあなたに闘う勇気を与えてくれるだろう。そう、知ることこそが我々の武器だ。
ぜひとも原書を手元に
あまりにも早く逝きすぎてしまった人物の渾身の作品である。原書は文句なく
五つ星。残念ながら、この翻訳は読みこみにどうしても難儀してしまう。
アメリカ文学会の頂点に立ち、20世紀最高の批評家のひとりであるがゆえ、
原書はジャーナリストには手に余る文章だったであろうし、ゆえに訳者の
苦労は並大抵ではなかったであろう。ご苦労様。
アジア情勢を読む地図 (新潮文庫)
浅井 信雄 新潮社 新潮社
アジア事情を公平に知る本です
仕事の関係先がアメリカの2、3の各州にまたがっていた。どんな所だろうと興味がわき、アマゾンで検索して、浅井さんの『アメリカ50州を読む地図』を見つけて、購入して読んだ。
ブック・レビューでみなさんが評するように、50州とワシントンDCが公平にコンパクトにまとめられていて、非常によかった。それで、同じ著者のこの本を買って読んでみた。
上記の図書は、それぞれが歴史的にも違う、個性のある多彩な州の集まりだったとはいえ、アメリカという一つの国の話しでした。この本もこういった調子で、中国、インド、韓国と順にのっていると思っていたが、そういう視点からの本ではなかった。
アジアは、それぞれ歴史的にも地域的にも絡み合う上、政治体制も異なるため、一ヶ国づつぶつ切りにして解説したところで、正しい理解はできないと思われたのか、テーマ別に関係する国々を一緒に解説している。これが、おそろしく広い視点である。しかも、これを一人でやっているところが驚きである。だから、文章も最後まで変わらない。そのため実に読みやすかった。
知ってるようでいて、あまり深く考えなかったアジアって、大陸があり、たくさんの島があり、面積はこんなにも広かったんだ! これだけの民族、国・地域、宗教、歴史があって、それぞれのかかえているお国の事情が違う……。もう、頭がクラクラした。これがヨーロッパやアフリカ、南米だったら、「そりゃいろいろあるさ」ぐらいで他人事のように読めるけれど、日本が属するアジアの事情となると、そうも言っておれない。
その中で白人国家のアメリカが、なぜかくもハワイからフィリピン、グアム、はては中国と、太平洋から続いてアジアへとどんどん介入してくるのかと以前から不思議に思っていたが、実はアメリカの「西へ、西へ」という西部開拓の延長線上に、アジア・太平洋があるという指摘には新鮮な感じをうけた (アイジアに噴出したアメリカの「西部開拓」の章)。
インドと中国、日本と中国、台湾と中国、どんな重たいテーマの話しでも、あまり注目されない国や地域の話しでも、公平に1つのテーマに、地図を入れて、きっちり7ページで紹介している。
新聞記者のご出身だけあって、どの章も浅井さんの他の本と同じ、感情をまじえず淡々とした文章です。人によっては、このあたりを、物足りなく思うかもしれませんが、テーマによっては、こういう書き方の方があっていると思います。
「これがアジアだ!」とばかり、自分の小さな体験を声高につづる本がゴマンとある中で、客観的にアジアを紹介するこのような本の存在は貴重です。アジアのことを勉強してる学生にも役立つと思います。
アメリカ50州を読む地図 (新潮文庫)
浅井 信雄 新潮社 新潮社
アメリカの新しい側面
自分が実際に渡米してみて、全米50州についての基本情報がないのはまずいとと思って読んでみた本です。一冊で50州について書いてあるので、詳細は望めませんが、イメージを描くのには役立ちます。
州での行政が大きなウェイトを占める米国で、各州の特徴を知るのは、会話の上でもとても役立ちました。皆さん、自分の州をとても誇りに思っていますから。
この本にも書いてありましたが、田舎こそアメリカの本領ともいえるので、「アメリカってどんな国だろう?」と思われる方、これから渡米する方にはとてもお勧めできます。
卓上に常備
アメリカ各州の州都や人口,その他の特徴が知りたくても,なかなか資料が手元にないのが実情。各州の項に,簡単な地図が載っているのが嬉しい。
各項の冒頭に,例えば「アリゾナ州・・・グランド・キャニオンと豊かな老後生活」のように,言い得て妙といった感じの紹介が載っているのも読み進める際,読者の助けになる。
私はいつも卓上に本書を置いていて,ニュースや映画で○○州と出てきた時に都市の場所や特徴を確認するのに使っています。
読みやすい!
1つ1つの州をおよそ4ページ程度にまとめているのですぐに読めるし、切りがよいところで読み終われます。だからちょっとした空き時間とかでも1つ2つぐらい読めてしまいます。いわゆる昔から変わらないこと、その州の基本的なデータがわかりますよ。ただ10年以上も前のものなので数字的データはあてになりません。今はもうだいぶ変わっています。
アメリカ旅行や生活の際に持っておくと便利な一冊
アメリカ50州それぞれについて、地理、人口、経済、政治的傾向、日本との関係などをまとめている本。特定の州だけでなく、全ての州の説明にほぼ同程度の説明がついているので、場所もよく知らないようなマイナーな州についても知識を得られます。手軽な薄さにまとまっている割には情報量が多くて、あちこちに散りばめられている小話も楽しく読んだ。アメリカ旅行や生活の際に持っておくと便利な一冊。
「読む地図」に納得
プロフィール写真を見て、著者はフジTV朝のコメンテーターとして活躍中の方と気付きました。
文章は歴史やデータ等の事実が淡々と紹介されているだけですが、著者をご存知の方なら、その声が聞こえてきそうなほど著者の語り口調そのままの人柄が出ており、大変親しみやすく、読みやすく、また情報の幅広さに驚かされる本です。各州にゆかりのミュージシャン、作家、財界人らの名が上げられ、小話も満載(例えばハーシー・チョコレートの町があるの!?というように・・・)、どんどん読み進められます。
来月から留学するために購入した本ですが、その滞在する州のみならず、隣接州の予期せぬ産業や観光ポイントを知ることが出来、行動範囲が広がりそうです。
東南アジアを読む地図
浅井 信雄 新潮社 新潮社
複雑な地域を判りやすく・・
日本から見ると、東南アジアは複雑怪奇だ。多くの国々があり、様々な島々が点在し、多様な民族が住む。知られざる宗教が乱立し、数え切れない言語がある。すっきりと整理すべくも無い、原色の世界だ。
東南アジアを理解する、などと軽く口にしてはいけない。絡まった糸をほぐすには指針がいる。それが本書だ。
本書に描かれているのは30枚の地図だ。それぞれの地図は独自の視点で切り取られた東南アジアの断片である。一枚一枚では全体像は見えてこない。しかし30枚の地図を立体的に並べることによって・・・始めて東南アジアの全体図がおぼろげながら立ち上がってくる。
民族世界地図
浅井 信雄 新潮社 新潮社
ニュースがわかる!図解 紛争地図
浅井 信雄 青春出版社 青春出版社
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