自註鹿鳴集 (岩波文庫) 自註鹿鳴集 (岩波文庫)
会津 八一   岩波書店   岩波書店  
まろやかな光は残照にも似て 古都を照らす
 以前に「奈良を旅行する際に持っていく本とは」ということで いくつかレヴューを書いた。何か忘れ物があったと思ったが 思い出した。本書である。

 すべてひらがなで書かれた短歌集だ。この本を読んでいると ひらがなには 不思議なまろやかさがあることが実に良く分かる。漢字は僕も好きだが 漢字のきびきびした感じに比べると ひらがなには まるみを帯びた優雅さを感じる。
 そんな優雅さが 奈良を旅する際に感じる「懐古調な感傷」に実に合う。

 一方 会津自身の註がついている。こちらは 漢字をごつごつ使った文語であり これはこれで響きは美しい。
 この註があるので 本書を 奈良訪問の良きガイドとする向きも多いのだと思う。

 しかし 僕は違うと思う。ひらがなの短歌がまろやかに光る。そんな光で事物を透かしながら 古都を辿る事が 奈良という場所には とても似つかわしいのだ。

会津八一と奈良―歌と書の世界
西世古 柳平   二玄社   二玄社  

自註鹿鳴集 (新潮文庫)
会津 八一   新潮社   新潮社  

会津八一―その人とコレクション 会津八一―その人とコレクション
吉村 怜   早稲田大学出版部   早稲田大学出版部  

会津八一墨蹟集 (1978年)
会津 八一   新潟日報事業社   新潟日報事業社   宮川 寅雄  

渾斎随筆 (中公文庫 A 120)
会津 八一   中央公論新社   中央公論新社  

会津八一の絵手紙 会津八一の絵手紙
二玄社   二玄社   小池 邦夫  

会津八一全集〈第1巻〉 (1982年)
会津 八一   中央公論社   中央公論社  

秋艸道人 会津八一の学芸 秋艸道人 会津八一の学芸
植田 重雄   清流出版   清流出版  

会津八一の歌境
喜多 上   春秋社   春秋社  
必見
たぐいまれなる吸引力と人を拒む孤高のひびき。ギリシャから奈良へ、奈良から武蔵野へと會津八一の学芸と人生をたどり、古今にきわだつ歌のしらべの秘密を解き明かす。

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